165 邂逅
連続更新途切れてすみません!
また今日から始めます♪
一瞬で脳内に、前世の後輩のキレ気味な声が再生される。
『もうもう、これだけイケメンがいるのに誰もヒットしないってどういう事ですかぁ!? じゃぁもう最後の真打ちです。“悲しい過去を持つ訳ありのラスボス”!! アベルはまずその圧倒的に良い顔とか、人気声優さんによる美声とか、トラウマ持ちの悲しい過去ありなところが大人気で、裏パッケージにビジュアル載せといて彼を攻略できないのはおかしいって声が多数出たキャラなんですよ。でも、実は超難関な裏ルートでのみ攻略できるんです! テンプレですが、孤独を癒やすことでラスボス化を回避させてあげる系イケメンです。さぁさぁ、どうですか? そんな、皆大好きな赤目の闇属性はいかがですか!?』
おうふ。もはや推すことだけを考えすぎて、ネタバレしまくっているぞ、後輩!
確か金薔薇は、幼少期はチュートリアルっぽく選択肢で進む形式で、年ごろになって本編に入ると半RPGっぽくなるらしい、とは聞いていた。
そして、ルートによってはラスボスがアベル・ジャーヴィスになるのだそうだ。
そう聞いてはいたが。聞いてはいたが、肝心のそいつが学園にいることは聞いてなかったぞ後輩ぃ!
どうしようこれ。てかこの人、私の誕生日会に一瞬だけいて、即消えなかったっけ。髪の毛の色で思い出したけど。
んんん、んんんん。情報があまりにも多すぎて頭がパンクしそうだよ!
とりあえず、とりあえず。なんか言わなきゃ。
私は混乱の極みのまま、フリーズを一秒で解いて全力で言った。
「お。……お友達から始めませんか?」
「……は」
唖然とした顔、そして圧倒的無言。
そりゃ~そうだよねそうなるよね!
一瞬で顔が赤くなるのを自覚する。アホか私は?
「孤独なままだとラスボスになるんだよな確か。そらあかん! とりま挨拶しとこ!」という突発的な思考回路を通った言葉がつるっと口から出たんだが……いきなり古き良き告白みたいなことをしてしまった。
お友達から始めて、最後はどうなりたいというのか。
落下事故の衝撃が抜け切れていないところで、いきなりラスボスの腕の中にインしちゃったんで、仕方ない。仕方ないと言いたい。
「……」
内心でテンパりまくっている私をよそに、私を抱っこしたままのアベルさんは、おそらく平素の顔なのだろう人形めいた無表情に戻っていた。
まずい、何か言わなきゃ。もうやだ沈黙コワイ。
「あ、えと、すみません。いきなりこんなこと言われても、困りますよね……」
……。
いやいやいや違ーう!!
テンプレな小物感溢れる台詞で誤解を補強してどうする!? これじゃかえって本気っぽい。
しかし「いややっぱ友達とか言ったのナシで!」とは言えないし。何が孤独なラスボスの導火線かなんてわかんないし。もう自分で何言ってるのかよく分からなくなってきた。
そんな風に一人相撲している私の内心などつゆ知らず、アベルさんはゆったりと私を眺める。
それから実に不思議そうに、典雅な声を響かせて、独り言のように言って首を傾げた。
「私が、見えるのか」
本日は吉報がございます。活動報告よりも先に、こちらで。
2巻の発売が、決定致しましたー!!((o(*>ω<*)o))
1月31日発売予定です。今回も頑張って書きます!!
そして今回の表紙は、特に作者のお願いをたっくさん聞いて頂いたので……それが物凄く、楽しみだったりします。(笑)




