その24
レクサールは自分を抜いた三者が特に何の他意もなく世間話をしていることに感動していた。
神族と魔族が互いに認め合い、尊重し合って語り合う。
確かに、前の学園でのことを考えれば、それだけでも奇跡であろう。
あれが一般的な神族なのかまでは知らないが、魔族に対する不信感と蔑視が罷り通っていたことを考えれば、ここでの対応は天と地ほどの差があった。
「どうかしたのか?」
他の二人とは違って、全く反応しないレクサールに暁生は問う。「気に障ることでも云ってしまったかね?」
「いや、そうではないよ。前の学園との違いに面食らっていただけさ」
流石に思ったままのことを言う気にはなれず、婉曲な表現でお茶を濁した。
「ははぁ、向こうでは少なくともレクサールの周りにテンプレタイプの神族しかいなかったと見える」
にやりと笑いながら、リオンはずばりとそのものを言い当てた。
「おい、折角当たり障りがない答えを出しているレクサールの配慮を台無しにするなよ」
苦笑しながら、暁生はリオンを軽く小突いた。
「まあ、そこで遠慮するのも俺のキャラじゃないからねえ」
悪びれるところなく、リオンは堂々と言い張った。
「そりゃそうだろうがな。……いかんな。何を云っても論破されるところしか思い浮かばん」
暁生は諦め顔で思わず苦笑した。
「そこら辺は仕方ないよ。リオン君は然う云う魔王だからね」
フォローにもならない台詞を言いながら、ころころと鈴を転がすような声でアールマティは笑った。




