その22
「お陰様でな。風紀委員会の方はサン・シールさんが締めを行っていたからゆっくり休むと良い。あと、ネイさんもサン・シールさんが捕獲していた」
手短に現状を報告し、暁生は荷物を親友に預けた。
「……偶に底知れないところありますよねえ、サン・シールちゃん」
手渡されるまま、親友の荷物を受け取りながら、しみじみとした口調でリオンは呟いた。
「おまえさんが絡まなければ優秀だからな、サン・シールさんは。ああ、ダヴーさんが劣っているという意味ではないぞ。今回の件で云えば、サン・シールさんの方が相性が良かったと云うだけの話だ。これがリオンの起こした騒動ならば、君があっさり解決していただろうさ」
落ち込みそうな気配を見せたアールマティをフォローしながら、暁生は爽やかに笑って見せる。
「……お気遣いどうもありがとう」
奇妙な敗北感じみた何かを滲ませながらも、アールマティは折目正しい態度で礼を言った。
「く、流石は気遣いの紳士! その気配りに嫉妬せざるを得ないッ!」
それを見て、リオンは反射的に妄言の類を口から発した。
「リオン、おまえさんは落ち着け」
苦笑しながら、変なテンションで絡んでくる親友を暁生は宥めた。
その光景を眺めながら、レクサールは思わず頬笑んだ。
「おや、レクサール。何か面白いことでも?」
リオンは目敏くそれを見出し、瞬時に何時もの調子に戻りながら首を傾ける。
「……いや、なんか、良いな、と思ってな。上手く口にすることは出来ないんだが、うん。悪くないな、この雰囲気」
一人納得したのか、レクサールは大きく一つ頷いた。




