その18
「理論的には可能っすよ? 流石に明神先輩抜きは止めた方がイイと俺様ですら考えますけどね?」
対面のソファーに堂々と座り込みながら、クーロンは真面目な顔付きで返事をした。
「あー、然う云えば、あっちゃんまだ帰ってきていないのか。じゃあ、帰ってきたら開始と通達して。大体似たり寄ったりの時間に風紀の連中も帰ってくるだろうし」
素早く勘案し、リオンは後輩二人に指示を出した。
「了解致しました」
「うぃーっす」
銘々思い思いに返事をすると、闇飛は影に消え、クーロンは億劫そうに立ち上がってから、悠々と管理人室へと向かった。
「さて、部屋に案内するかね? それとも、ここで時間まで待つというのも一つの手だな」
リオンは立ち上がるとレクサールに二つの意見を提案した。
「部屋に行きたいのは山々なんだが……手荷物がないと少しばかり意味がなくてなあ」
深々と溜息を付きながら、レクサールは途方に暮れた。
「……いや、なんと云うか、すまん」
リオンは気まずそうに頭を掻く。「こうなるとは流石に思わなんだ」
「最初からこうなると予測していたらそりゃバケモンだ」
屈託無い笑みを浮かべ、レクサールはとりあえずソファーに腰掛ける。「ここが一番早く手荷物を奪え返せそうだから待つとするよ。まあ、待つ間暇だから話し相手になって貰えれば幸いなんだがね」
「さっきも云ったが、客に暇をもてあまさせるほど俺は礼儀知らずじゃないよ?」
釣られたかのように爽やかに笑いながら、リオンも再びソファーに腰掛けた。
「丸で高級ホテルか何かだな。まあ、俺は縁が無いから想像に過ぎないが」
ロビー一帯をぐるりと見渡しながら、レクサールは溜息を付いた。




