その16
「競技会じみた一対一の全国大会ではピーキーな能力過ぎて二人とも力を発揮できないタイプだが、交流戦ならば使い方次第で獅子奮迅の働きが出来るだろうな。まあ、切り札になるかどうかは策を立てる者次第だが」
自信に満ちた笑みを浮かべ、リオンは右手で顎を揉んだ。
当然のように、レクサールはリオンの意図を読み、
「そこまで自信があるという事は、リオン、君ならば何とかしてのける自信がある、と?」
と、明らかに誘導された質問を口にした。
「……無い訳じゃないが、まあ、やってみなければ分からない、かな」
にこやかな表情とは裏腹に、リオンは鋭い視線を騒がしくしている二人に向けた。
「それではその機会を楽しみにしているよ」
レクサールは下駄箱に外履きを仕舞おうとするが、「……ところでリオン? 俺の荷物は知らないか? 一応あの中に機内で使っていたスリッパ入れてあったんだが?」と、ばつが悪そうな表情を浮かべながら言った。
「……済まない、すっかり忘れていた」
今までそれを失念していたことをリオンは詫び、慌てて後輩二人の元に向かった。
「だからさ、俺様の美しさが万人に分かるようなポーズを取るのを待ってだね?」
「そんなの待っていたら日が暮れるだろう。私もそこまで暇じゃないよ?」
未だに先程の件を言い合っている二人に、
「ちとその口喧嘩を中断してくれ。レクサールの荷物がどうなっているか二人とも知らないか?」
と、リオンは尋ねた。
「……さあ? 私は先程こちらには顔を見せただけなので何とも」
闇飛は首を捻る。「クーロン君は知っているかい?」




