その14
「こんなところで漫才などしていないで、デズモリア先輩を休めるところまで案内するべきでは?」
留まるところを知らずに喋り続ける二人に対して、幾分か呆れた口調で、影の中から闇飛は助言する。
「あ、闇飛君。おかえり~」
淡々としている闇飛とは対照的に、見ている方が吃驚するぐらい高いテンションでクーロンは迎え入れた。
「はい、ただいま。とりあえず、クーロン君は落ち着こうね」
妙なテンションで挨拶してきた親友をばっさりと闇飛は文字通り切り捨てた。
「ちょ、闇飛君、このやられ方は美し──」
最後まで言う間もなく、クーロンは石化した。
「……状態異常攻撃?」
突然の成り行きにぽかんとしながらも、レクサールは状況を把握しようと努力する。
「まあ、抵抗能力高いんで、余り意味が無いんですけどね、クーロン君相手だと」
深々と溜息を付きながら闇飛は答える。「突っ込みを入れる代わりに、面倒になったら動きを止める。クーロン君対策のその壱、です」
「物理的に動きを止めれば、流石のクーロン君でも暫くは何も出来ないからねえ。体力の類は人類種にも劣るが、その分、神威と魔力の特化型。術が使えなければ大した害もない。まあ、こういう荒技が出来ない場合は端から突っ込みを入れ続けないと寂しさで鬱陶しさが増すかまってちゃんだから、適度に付き合ってやってくれ。うん、悪い奴じゃないんだ。女性関係で面倒なだけで、他に悪いところは……特に……ない、かな?」
言っている途中からだんだんと目を逸らしながら、リオンは説明した。
「……うん、まあ、大体分かった。がっぷり四つに組んではいけないと云う事だな」
右手の平を額に当てながら、レクサールは肩を竦めた。




