その11
「……? 何か探しているのかい?」
あからさまに何かを探しているリオンにレクサールは尋ねる。「何か問題でも?」
「いや、俺が君をここまで案内するのは決まっていたことだから良いとして、ここでの事を説明する役は一体誰が引き受けているのだろうかと思って、な。はて、闇飛君が確認しに来たのだから、その程度の段取りは既に付いていそうなモノなのだが……?」
困った顔を浮かべて、リオンは首を捻った。
「君の係ではない、と?」
「基本的に世話役ではあるんだがね? 俺も四六時中付いていられるわけではないから、寮での相談事を出来る相手を一人は用意しておこうという手筈にしていたんだが……?」
リオンは困惑しながらも、レクサールに状況を説明した。
「先輩、お待ちしておりました」
そんな中、二人が玄関先で雑談しているのを見かけて、一人の神族らしい長身の男が近寄ってきた。
「ああ、噂をすれば影、ってヤツかな」
それを見てリオンはレクサールに紹介する。「こちらが噂のヴァン・クーロン君だ。見ての通り神族、それも主神に連なる一門の次期当主候補最右翼、だそうだ」
「またまた、先輩。冗談がきついなあ。俺様がそんな堅苦しいモノになれるわけ無い事知っている癖に」
リオンとは違った強烈な個性と魅力を振りまきながら、クーロンは口調とは裏腹に謙遜して見せた。
実際のところは違うのかも知れないが、今のところレクサールにはそういう風に見受けられたのだ。
「まあ、こんな奴だ。俺とは違った意味で厄介極まりないから気を付けて付き合うように。まあ、女絡みじゃなければ、良いヤツだからそこまで色眼鏡で見る事は無い、と思う……」
幾分自信なさそうにリオンは言う。




