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神と魔王と人類と  作者: 高橋太郎
プロローグ
8/723

その8

魔族(まぞく)(たい)する評価(ひょうか)じゃないわよねえ。サン・シールの(いえ)腹芸(はらげい)策謀(さくぼう)をきっちりやれたら魔王(まおう)目指(めざ)せる(うつわ)なんだけど、この調子(ちょうし)だとあの子の代も無理そうよねえ」

 肩を(すく)めながら、イシュタルは短評(たんぴょう)(くだ)す。

「ま、悪い(かた)じゃ無いんですけど、相性(あいしょう)(よろ)しくないのは(たし)かでして。そんなワケでお願いできますかね、リサ姉?」

 リオンは()えて同級生の評価をせず、何事(なにごと)もなかったかの様にリサへと(たの)み込んだ。

「お(ねが)いされても良いけど、誰なの?」

「えっと、アンヌ・ネイさんですな。人類種(じんるいしゅ)の女性で有りながら、唯一(ゆいいつ)実行隊(じっこうたい)に入っている子なんですけど」

 リオンの説明を聞き、

「ああ、あの子。それはリオンちゃんが声掛けたら、サン・シールちゃん激昂(げっこう)するわねえ」

 と、リサはしみじみと納得(なっとく)した。

「どういうことなの?」

 (まった)(もっ)て話が見えないイシュタルは、困惑(こんわく)した表情で二人に(たず)ねた。

風紀(ふうき)委員(いいん)の実行隊って、私の眷属(けんぞく)の子が多いじゃない。だからサン・シールちゃんってある意味で浮いているんだけど、アールマティちゃんの副官(ふっかん)として実行隊を掌握(しょうあく)している上、かなり人望(じんぼう)あるのよね。ただ、魔族と神族、それも天神(てんじん)系でしょう? お(たが)いに遠慮(えんりょ)するところがあって、()み込んだ事になるとサン・シールちゃん、何でもかんでも自分でやっちゃうのよね。それを戦乙女(ヴァルキュリエ)たちが強引(ごういん)手伝(てつだ)うわけにも行かなくて少し孤立(こりつ)していたんだけど、アンヌちゃんは人間だから、そんなのお(かま)いなしに手伝っちゃうのよ。そんな関係が長く続いたせいか、(すご)く心開いているみたいでね。善意(ぜんい)であろうと、リオンちゃんとかヴァンちゃん(あた)りが声かけに来たら凄く警戒(けいかい)すると思うわ」

 イシュタルに対し、リサは淡々(たんたん)状況(じょうきょう)を説明して見せた。

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