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その30
「ああ、それはあり得るねえ。彼もアレで神族だからねえ」
「ええ、アレで神族です」
二人してしみじみと呟き、納得し合った。
「何ら問題のある神族なのかい?」
二人の反応を訝しみながら、レクサールは尋ねる。
「問題……ねえ?」
「問題……ですか……」
二人して顔を見合わせてから、首を捻る。
「どういう反応だい、そりゃ?」
噂の神族を知らない為に、レクサールは二人の反応をどうとって良いのか苦慮した。
「問題は……問題はある。むしろ、問題しかないヤツと言える」
「女絡みの問題はあっても、その逆はないから、私たちには影響は一切ありませんが……」
二人とも何とも言えない表情で、奥歯に物が挟まったかのように曖昧な笑みを浮かべた。
「……?」
今まで見てきた二人の反応とは全く違う何とも言えない表情を見て、レクサールは軽く混乱していた。
「まあ、会えば分かる。会えば」
混乱するレクサールにリオンはそう答えると、「先に進もう。とりあえず、寮までそこそこ時間が掛かる」と、先導を再開した。




