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神と魔王と人類と  作者: 高橋太郎
プロローグ
7/723

その7

「実はですね、レクサール君には幼馴染(おさななじ)みがいまして、都合(つごう)が良い事に、我が校の生徒なんですよ」

 楽しげにリオンはリサに答える。

「あら、そうなの? だったら、最初(さいしょ)から()れてきてくれれば話は早かったのに」

 イシュタルは弟にしては(みょう)段取(だんど)りが悪い事を(いぶか)しみながら、溜息(ためいき)を付いた。

「……残念(ざんねん)ながら、彼女は風紀(ふうき)委員会(いいんかい)に入っていましてね」

 そんな()()ずとしたリオンの台詞(せりふ)を聞いた途端(とたん)、イシュタルは人目を気にせず腹を(かか)えて笑いだした。

「あらあらまあまあ」

 流石にリサはイシュタル(ほど)露骨(ろこつ)態度(たいど)は取らなかったが、それでも彼女にしては(めずら)しくニヤニヤと笑う。「リオンちゃん、相変(あいか)わらず風紀委員会は鬼門(きもん)なのね」

「いえ、委員長(いいんちょう)のアールマティ女史(じょし)とは上手くいっているんですよ? サン・シールちゃんがねえ、なんでか俺を敵視(てきし)していましてねえ。彼女たちに話を(とお)さずに動くわけにもいきませんしねえ」

 ほとほと(こま)った表情を浮かべ、お手上げとばかりに肩を(すく)めた。

「サン・シールちゃんは生真面目(きまじめ)だから、リオンちゃんみたいな子は悪巫山戯(わるふざけ)している様にしか見えないんでしょうねえ」

 リサは大きく溜息を付いた。

「サン・シール……ああ、ヴェパールね。家名(かめい)の方で呼ぶから誰かと思ったわよ」

 イシュタルは納得(なっとく)する。「なんで二人とも家名の方で呼んでいるのよ?」

「いやあ、サン・シールちゃん、名前で呼ぶと(おこ)るんですよ。家名の方に(ほこ)りを持っているから」

 何とも言えない表情を浮かべながら、リオンは頭を()きながら言った。

「ちょっと生真面目すぎよね。そこが良いところでもあるんだけど」

 リサもまた、微妙(びみょう)な表情で評価(ひょうか)する。

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