その19
「君の場合は明らかにそれとは別問題な気もするがね、リオン」
一通りをざっと眺め終わり、「これは何処に何が張り出されるのかを覚えない限り見逃しそうだな」と、レクサールは肩を竦めた。
「まあ、授業の休講云々は決まった位置にあるし、風紀委員会や教師陣の呼び出しも大体決まった位置に張り出される。気を付けるのは、生徒会からのお知らせとか、滅多にここを使わない委員会からの伝達かな。自分に関わらなくても、抑えて置いた方が良い情報というものもある。慣れるまでは何処にどんなものが張り出されるかを覚えるのが先決だろうな」
リオンは自分のクラスに割り当てられた下駄箱まで移動し、「ちなみにレクサール、お前さんの割り当てはここだから。明日、外履きはここに入れて職員室に向かう様に」と、空いている一角を指差した。
「そうなるな。ま、俺が案内することがほぼ確定しているから、余程の事態でも無い限り一人で行けって云う事にはならないよ」
「職員室は理事長室の隣で良いんだっけ?」
さっき通った廊下に張り出していたプレートを思い出しながら、レクサールは確認する。
不安そうなレクサールにリオンは笑いかけた。
「……その余程のことが起きそうな気がするのは俺の気の所為なのかい、リオン?」
今日起きたトラブルを思い返しながら、何とも言えない表情を浮かべる。「何が怖いって、まだ今日が終わっていないというその一点だな。これ以上何事も無ければ良いと思ってしまう俺は心が弱いのかねえ?」
「ん~、ま、ノーコメントで」
肩を竦めながら、リオンは意味深に笑う。「さて、ここから入ってきた来客用昇降口の場所までの移動ルートは分かるかい? 君の外履きはそこだからねえ。自信が無いなら、ここで待っていてくれればそっちから回ってくるが?」




