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神と魔王と人類と  作者: 高橋太郎
プロローグ
6/723

その6

「……ねえ、リオン? なんで最初から落としどころを考えているのかしら?」

 胡散(うさん)(くさ)そうな視線(しせん)を弟に向け、イシュタルは(たず)ねる。「(あき)らかに問題起きると見ているのよねえ?」

「さて? そこまでは分かりかねますなあ。俺は何が起きても()(よう)に考えているだけで。何せ相手は現在天界(てんかい)(もっと)も勢力を(ほこ)家柄(いえがら)を中心とした連中。魔界(まかい)で皇帝を何代(なんだい)排出(はいしゅつ)している当家(とうけ)が動いたとならば、連中も心(おだ)やかではいられますまい? 道義(どうぎ)的に正しい行動を取るとは云え、邪魔(じゃま)をされる可能性が高いのならば、対策は用意するべきでしょう?」

 (いた)って真面目(まじめ)表情(ひょうじょう)を浮かべ、リオンは言い(はな)った。

「それは道理(どうり)よね。イシュタルちゃん、私としてはこの件に関して賛成(さんせい)よ? うちみたいな実質上(じっしつじょう)新設校(しんせつこう)が大きくなるには、こういう逸材(いつざい)(のが)すという手はあり()ないわ。多少(たしょう)喧嘩(けんか)を売る様な真似(まね)になるとしても、このチャンスを逃す手は無いわ」

 おっとりとした外見からは想像もつかない強い視線をリサはイシュタルに向けた。

「……はいはい、私の負け負け。私だって本来(ほんらい)なら、これだけの逸材だったら諸手(もろて)()げて賛成よ? ただし、聖リュニヴェール学院でなければ、だけど。それで、ここまで()すからには勝算(しょうさん)はある、と見て良いのよね?」

 投げやりな感じに手を左右に振り、イシュタルは弟を見た。

当然(とうぜん)ですとも、我が敬愛(けいあい)なる姉上様。リオン・ヴァシュタールの名に()けて、エリート(づら)した連中(れんちゅう)一泡(ひとあわ)()かせて見せますとも」

 間髪(かんはつ)()れず、リオンは自信満々(まんまん)に返事をした。

「最初からそれが(ねら)いでしょう、リオン。……まあ、良いわ。どうせ、和泉(いずみ)が居たら間違(まちが)いなく私が押し切られていたでしょうからね。それじゃ、リサ。上手(うま)い事この子を(さそ)ってきて(もら)えるかしら?」

「了解。リオンちゃん、どうやってアプローチを掛けるつもりだったの?」

 イシュタルの(げん)を聞き、リサはリオンに対して腹案(ふくあん)を尋ねた。

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