その17
「さて? 知らなかったのかも知らんね」
意外にも真面目な表情を浮かべ、「世界は法と混沌の鬩ぎ合いにより産まれ、意思持つ力、竜に守られるという。その中でも、五つの大きな世界を守る竜を竜皇と称し、我らが紅天世界の守護竜皇紅葉は最強の称号剣聖を有す」と、リオンは厳かに告げた。
「それは?」
「創世神話外典と呼ばれていた書物に記されていた一節だな。うちはありとあらゆる伝承伝説を異聞とか異端とか関係無しに収集していてね。まだ、剣聖竜皇が世界に居た頃はそれが本当かどうかを聞きに行っていたらしい。当主はその情報を継承してきた。ちなみに、後から聞いた話では、天界だと異端と見なされた情報は全て消去されていたらしいな。在りし日の紅葉竜皇が天界への助力を辞めた理由の一つがそれという話だ」
リオンは肩を竦めながら、「存外神というモノは融通が利かない存在なのやもしれんな」と、簡潔な感想を言った。
「うわあ」
余りの事にレクサールは頭を抱えた。
「天界が莫迦な真似をし続けた結果、魔界の皇帝だったうちの爺様が世界に存在する生けとし生ける者に檄を飛ばしたのさ。手を携えて敵を倒そう、とな。ま、そこら辺はうちの自慢話にもなるから嫌って程授業で聞けるさ。なんやかんやで、ここの教師陣にもうちの郎党は結構入り込んでいる。自分のことの様に自慢してくれるさ。さて、到着」
レクサールが案内されたのは昇降口であった。
リオンはその正面に備え付けられた掲示板を指差した。
「アレが、この学校で一番重要な施設だ。うちの学校の授業スタイルは知っているんだっけ?」
リオンはレクサールの方を見て確認する。




