その14
「何か理由でもあるのかい?」
リオンの答えと態度にレクサールは疑問を持った。
「所詮、俺達はこの世界に作られた存在であって、この世界を作った存在ではないから、と云うところかな?」
茶化すところ一つ無い、真面目な口調でリオンは答えた。
「どういう事だ?」
余りにも当たり前すぎる答えが返ってきたもので、レクサールは首を捻る。
「まあ、少し考えれば分かる事なんだがね。天界にしろ、魔界にしろ、現世にしろ、誰が作ったかという話しだよ。少なくとも、神々でも魔族でも人類でもないわけだ」
自分の説明に対してレクサールが頷くのを見て、リオンは続ける。「だったら何ものかって話しだがね。世界は世界が創り出したと云われているんだな」
「……それは言葉遊びか何かか?」
レクサールは怪訝そうな表情でリオンに尋ねた。
「あー、そう聞こえるかも知れないな。創世神話は知っているかい?」
リオンはレクサールに確認する。
「世界と竜の御伽噺か?」
質問の意図が見えなかったが、レクサールは素直に知っている事を口にした。
「そう、それ」
リオンは相槌を打つ。「知っての通り、世界は法と混沌の鬩ぎ合いによって産まれてきた。決して何者かの意思の元に産まれてきたわけではない。その何者かの意思によって産まれてきていない世界が、自らを育てるために産み出したのが神々や魔族であり、それらが眷属として創り出したのが現行人類の祖となるモノだと云われている。まあ、実際の処は何処まで本当か知らんがね」
「それで、世界が産み出した神々、か」
レクサールは低い声で呻った。




