その12
「……ああ、そうか、レクサールは知らないかもなあ」
頭をポリポリと掻きながら、リオンは思わず苦笑を浮かべる。「彼の種族は【負の生命力】を力の源にしていてね。人類種の様な【正の生命力】を有する種族と何の処置もなく触ると吸精を引き起こしかねない。今の時代にそんな事したら余計なトラブルを招きかねないから、彼らの種族を始めとして、【負の生命力】を有する種族はなるべく接触を避ける傾向があるんだな。で、今はその処置をしていないわけだ。何せ、気が付かれて紹介されるというのは想定外、だからねえ」
「……申し訳ない……」
低い呟き越えで、闇飛は謝罪した。
レクサールは即座に頭を下げ、
「いや、知らなかった俺が悪い。気を悪くしたならこちらこそ申し訳なかった」
と、謝罪し返す。
「ま、そんなワケだ。うちの学校には割りと【負の生命力】を持っている連中がいるから、気を付けた方が良い。悪気無しで吸精されかねないからなあ」
闇飛に眴せで合図をし、影に戻らせる。
「所違えば、何もかも違う、か。言葉で理解していても、実際には分かっていなかったんだなあ、俺は」
深々と溜息を付き、レクサールは嘆じた。
「何、もし俺が聖リュニヴェール学院に転入したら似た様な事件を起こしまくっているさ。そういうモノだ」
リオンは笑い飛ばすと、そう慰めた。
「やはり違うものか」
レクサールは真剣な表情を浮かべ、ぽつりと呟いた。
「怖じ気付いたかい?」
リオンはニヤニヤ笑いながら揶揄する。




