その11
「まあ、あれ以上に濃い連中はそうは居ないから大丈夫さ。むしろ、君の幼馴染みが濃い部類に入る程度だからさほど問題あるまい?」
幾分か慰めるかの様に、リオンは笑った。
「……あいつは、なんと云うか……昔から割と濃い部類だと思うぞ?」
何とも言えない表情を浮かべながら、レクサールは溜息を付いた。
「そいつは御愁傷様。ま、右も左も分からない場所に知り合いがいるのはいないよりも気楽で良いんじゃないのかい?」
反応を楽しみながらも、リオンはレクサールに慰めの言葉を掛けた。
「そうかも知れないし、そうでないかも知れない。ま、確かにいきなり訳も分からずにそんな場所に突っ込むよりはマシだろうな」
一つ二つ頷いてから、「然う云えば、その中の人は何者なんだい? 残り少ない濃い部類の方なのかな?」と、リオンの影を見た。
「……おやまあ、初見で闇飛君に気が付くとは恐れ入ったね」
レクサールが吃驚するぐらい真剣な表情を浮かべ、リオンは影に合図を送った。
見る見る間に、影が盛り上がり、影から彫り出したとしか形容できない存在が片膝をついてその場に控えた。
「紹介しよう。一回生の闇飛小太郎君だ。見ての通りと云って良いかは分からないが、闇に潜む者だ。俺とは相性が良いから個人的にアルバイトに雇っている様なモノでね。宜しく頼むよ」
リオンの目配せを受け、すっと立ち上がると音も無く一礼する。「ま、結構無口な方でね。余計なことを余り喋らないタイプなんで、無理強いをしないでやってくれ」
「先程は助けられたみたいだね。レクサール・デズモリアだ。改めて宜しく」
にこやかに挨拶をすると、レクサールは右手を差し出した。
困った表情を浮かべ、闇飛はリオンを見る。




