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神と魔王と人類と  作者: 高橋太郎
プロローグ
5/723

その5

 リサは少し考え込んでから、

「……確かに、リオンちゃんが最初から気が付いていたのならば、どんな手を使ってでもうちに入れたでしょうからねえ。そう考えれば、偶然(ぐうぜん)でしょうね」

 と、リオンを擁護(ようご)する。

「運の良さには自信がありますから」

 自信満々(まんまん)にリオンは笑った。

「運の良さだけで片付(かたづ)けて良いモノかしらねえ、これ」

 多少(たしょう)(こま)った表情(ひょうじょう)を浮かべながらも、楽しそうにイシュタルは(つぶや)く。

「そうねえ、面白(おもしろ)そうな子なのは(たし)かなんだけれど、流石(さすが)天界(てんかい)有力者(ゆうりょくしゃ)喧嘩(けんか)を売る事になりそうなのがネックよねえ」

 リサは首を(かし)げる。「そこら辺は大丈夫(だいじょうぶ)そうなのかしら?」

表向(おもてむ)きは。退学(たいがく)処分(しょぶん)にしたのは向こうですし、こちらは行き場のない学生を(むか)え入れただけです。別に犯罪歴(はんざいれき)があるわけでもなし、彼から転入(てんにゅう)(とどけ)を出して(もら)えば法の上での問題はないものか、と」

 リオンは冷静(れいせい)状況(じょうきょう)解析(かいせき)した上で、非の打ち所が無い提案(ていあん)をした。

「法を(おも)んじる天神(てんじん)達がそれに対してクレームを()けてくる事はまずない、か。()いてあるとすれば、私たちが魔王(まおう)だって事だけれども……」

 イシュタルはちらりとリサを見る。

「そこは私が手を差しのべた事にしておけば良さそうね。これでも主神(しゅしん)系列(けいれつ)に近い(いくさ)女神(めがみ)の家ですもの。余程(よほど)の事が無い(かぎ)り、クレームを云ってくる事は無いと思うわ」

 イシュタルの懸念(けねん)に対し、リサは自信を持って答えた。

「それが妥当(だとう)でしょうな。天神同士の問題ならば、向こうからこちらに前もって何か云ってこなかったという事がこちらの武器になりますしね。姉さんや俺がしゃしゃり出たら、本来ならば円満(えんまん)解決(かいけつ)の問題すらトラブルになりかねませんし。落としどころは計算するにしかず、ってやつです」

 にこにこと笑いながら、リオンはこの先起こる事を読んで見せた。

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