その6
「そうだね。うちの一族とあっちゃんの一族は【大誓約】の前からの付き合いだからね。前と云っても、本当に直前だけれど。で、あっちゃんの一族とリサ姉の一族も相当古い付き合いなワケだ。元々リサ姉の一族が始めた学校だったんだよ、ここ」
リオンは軽く学園の歴史を語る。
「その伝手を伝って、君の姉さんがこの学園に入る事になった、と?」
校門前で聞いた説明と組み合わせて、レクサールは導き出される答えを口にした。
「概ねその通り。ただし、そんな理由で現役魔王を魔界の外に出すのを許す程、魔界も温くはない。そこで、あともう一つ、クッションが入るんだな」
調子が上がってきたのか、如何にも楽しそうにリオンは語る。
「もう一つ?」
レクサールは知らず知らずのうちに話しに引き込まれていた。
「そう、もう一個理由があるんだわ。実はあっちゃんにも姉がいてね、その女性がこの問題の解決の糸口になるんだわ」
リオンは嬉々として説明する。
「ふむ。然う云えば、元々ここの学園長の一族と明神会長の一族に付き合いがあるのだったな。それが関係してくる、と?」
話の先を読みながら、レクサールは相槌を打つ。
「基本的にね、魔界は天界の連中を疑って掛かる。まあ、天界も魔界を疑っているからお互い様なんだが、だからこそ、根が深くてねえ。現世に対してはそこまででもないんだが、天界の息が掛かっている以上は怪しむワケだ。そんな場所に戦略存在と云える称号付きの魔王を送り出すのは自殺行為と魔界では誰しもが考えるワケだ」
レクサールが知らぬであろう、魔界と天界の確執を簡単に説明する。
「ま、道理だなあ」
よくよく考えれば当然とも言えるお互いへ同士の不信感を聞き及び、レクサールはげんなりとした表情で納得した。




