その25
「はいはい。あっちゃんの云う通りで御座い」
暁生の冷徹な一言で、リオンはそのまま引き下がった。
「さて、話が逸れない内に何をしようとしたかを話したまえ、アールマティさん」
何事もなかったかの様に暁生はアールマティに話しを促した。
「ああ、うん。転校生が噂のレクサール君だと知ってアンヌさんを喜ばそうとサプライズパーティーを企画したんだ。ヴェパールさんに話をしたら、普段の挙動から筒抜けになりそうだから、二人には話さない方向で今日の歓迎会まで箝口令を敷いてね?」
「ちょっと待って下さいな?」
サン・シールは思わず周りを見る。「すると、皆様は彼が転校してくるのを知っていた、と?」
周りにいた戦乙女達は全員目をサン・シールから逸らした。
そのまま、サン・シールは凄い勢いで暁生の方を見るが、何とも言えない雰囲気の中、流石の暁生も目線を逸らした。
「何故、目を、逸らしますの?」
「……いたたまれなくなって、な」
怨嗟に塗れた声に対して、暁生は目頭に手を当てながら静かに答えた。
「なんで、同情、されますの!」
周りの態度に激昂し、サン・シールは哮った。
「……流石の俺でもそれは言いにくい、かな……」
目線を地面に逸らし、リオンはぼそりと呟いた。
「リオン・ヴァシュタールまでッ!」
怒り狂うサン・シールに、
「大丈夫、大丈夫。あたしも仲間だから」
と、アンヌは和やかに言った。




