その20
「一緒に学校通えたら楽しいかなあ、って」
てへっと舌を出して笑いながら、アンヌは小首を傾げて見せた。
「……まあ、突っ込みたいところは数多くあるが、今はまあ良い。ああ、流すともさ。他に行くところも無かったし、渡りに舟だったのは否定できないからな」
苦虫を噛み潰した表情でレクサールはぐっと堪えた。
「まあ、住めば都と云うだろ? 幸いな事に、僕やあっちゃんがいるからそれなりの教諭は揃っていますから安心してくれ。……まあ、肉体派エリートが多いのは間違いないんだけどね?」
「それでフォローしているつもりだとしたら、大したモノだな、リオン」
目を背けながら取りなしの言葉を口にしているリオンに対して暁生は淡々と思ったままのことを言ってのけた。
「流石にねえ。嘘はつけないし」
肩を竦めながら、親友の突っ込みをリオンは素直に肯定した。
「変なところで相変わらず正直なヤツだよな、お前さん。まあ、どうにもならない我が心友殿はどうでも良いか。ぐだぐだになる前に、解散したいのだが、サン・シールさん。いい加減この二人を解放してやってくれないモノかな?」
丁寧な口調で暁生はサン・シールに頼み込みながら、風紀委員会一同に目配せをした。
「……寄って集って私を担いでいるのではないでしょうね?」
未だ半信半疑のサン・シールは多少軟化したとは言え、それでもまだ不審を隠せずにいた。
「私の方には正規の手順で話が回ってきている。先週の委員長会議でも議題になったし、風紀委員長ならば学園長からもダヴーさんに話は回っているはずなのだが……?」
困り顔のまま、辺りを見渡してみてるがその質問に答えられる者は誰もいなかった。
「俺も非公式なルートと委員長会議でも話を聞いたんだがな。ちゃんと、アールマティ女史も出席していたのは確認している。あっちゃんの云う事に間違いは無いけどなあ」
透かさず、リオンは暁生の発言を裏打ちした。




