その18
明らかに戦闘を意識した制服に、胸当て、手甲、脛当てを装着し、ブーツもどこから見ても軍靴の類である。
はっきり言ってしまえば、完全武装一歩手前であり、あのまま転んでいたら右腕骨折で御の字と言える。
「何時までも誰もが同じではいないと云う事だな」
レクサールの視線を察してか、支えている明神は静かに笑う。「ようこそ、明星学園へ。生徒会長の明神暁生だ。まあ、見ての通り、鬼神でな。それの幼馴染みだ」
二人を軽々と持ち上げてから立ち直らせ、リオンを見遣った。
レクサールも暁生の言葉を聞き、もう一度姿形を見直した。
確かに彼が言う通り、額の角や静かな闘気と神威から鬼神以外の何者でもないことが見て取れた。
「あっちゃん、何か俺に対して酷い事云っていません?」
言葉の端々に何かを感じたのか、リオンは明神暁生に対して和やかに問い詰める。
「そりゃ、お前。幼馴染みに対して泣きの一回入れてくる莫迦を誉めるわけ無いだろうが。日頃から真面目にやっていれば問題は起きなかっただろう。もう少し何とかしろ」
溜息を付きながら、暁生は幼馴染みに苦言を呈した。
「だが、断る!」
全く以て考える振りもせずに、リオンは即答して見せた。
「ああ、もう。この莫迦は……」
右手で顔を押さえながら、暁生は天を仰いだ。
「あーーーっ! レクサール・デズモリアッ! 思い出しましたわ!」
周りの状況など何するものとばかりに、サン・シールは絶叫する。
「ヴェパールちゃん、今更何を云っているの?」
幾分落ち着いたのか、アンヌは親友を振り返る。「前から何度も話していたよね、あたし?」




