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神と魔王と人類と  作者: 高橋太郎
第一章 転入
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その16

 だが、誰一人(だれひとり)としてレクサールに視線(しせん)()わせようとせず明後日(あさって)(ほう)を見ていた。

「あっ」

 (なん)となく(さっ)してしまったレクサールもまた、侃々諤々(かんかんがくがく)口喧嘩(くちげんか)から目を()らそうとした。

(さわ)がしいと思ったら、また君達(きみたち)か。(わたし)仕事(しごと)()やさないで()しいのだがね?」

 ゆったりと重々(おもおも)しい下駄(げた)()(ひび)かせながら、着流(きなが)しの上から白い(ちょう)ランを(かた)()けた男が颯爽(さっそう)と近づいてきた。

「あっちゃん、聞いて下さいよ! この女性(ひと)がちっとも魔王(ひと)の話を聞いてくれないんですよ!」

「それは貴方(あなた)(ほう)でしょうが、リオン・ヴァシュタール!」

「……大体(だいたい)分かった。あと、リオン。()が出ているぞ?」

 二人(ふたり)剣幕(けんまく)を見て、何となくあっちゃんと呼ばれた男は(いま)()きていたことを(さと)ったのか、(しず)かに言った。

「……まあ、なんだ。あっちゃんも云ってくれよ。彼が転入生(てんにゅうせい)であるって」

 何事(なにごと)もなかったかの(よう)笑顔(えがお)を浮かべ、リオンは男に(うなが)した。

(まった)く、強引(ごういん)(はなし)だな。(じつ)にお前らしいが」

 男は苦笑(くしょう)しながら、「サン・シールさん、この莫迦(ばか)が云っている事は(おおむ)(ただ)しい。彼、レクサール・デズモリアは明日(あした)から正式(せいしき)(われ)らの学友(がくゆう)となる。この様に(いそが)しい時期(じき)(もう)(わけ)ないが、私の顔に(めん)じてこの二人(ふたり)(とお)しては(もら)えないだろうか?」と、言った。

「……レクサール? レクサール?」

 不思議(ふしぎ)そうな表情(ひょうじょう)を浮かべ、(なに)かを思い出すかの(よう)二回(にかい)(つぶ)きながら、じっとサン・シールはレクサールを(なが)めた。

(おれ)が、何か?」

 人類種(じんるいしゅ)では無いとは言え、(おそ)ろしく(ととの)った造形(ぞうけい)美女(びじょ)真正面(ましょうめん)から見詰(みつ)められ、レクサールはどぎまぎする。

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