その13
「学園長に指名されるとなると、有名人なのか?」
レクサールは首を傾げた。
「いや、小さい頃から世話になっているだけだ。姉の同級生でね。頭が上がらん」
リオンは肩を竦めた。
「ん、お姉さんがいるのかい?」
「ああ。一応この学校の理事長だな。うちが姉の入学と同時期に多額の出資をしてな。資金を一番出しているのがうちになったから、姉の卒業と共に元々この学校の経営権を持っていた学園長の家が譲り渡したという流れか。まあ、俺も入学したんで、うちの出資額がそれぐらいしないと洒落にならない額になったという話も聞くけどな」
つまらないことを話したとばかりに、リオンは首を横に振った。
「そこら辺も風紀委員に睨まれる原因の一つかい?」
「かもなあ。確かに、経営側の一門衆がルールを破るのは宜しくないよな」
レクサールの疑問に、多少虚を突かれたのか、驚いた表情を浮かべながら、リオンは首を縦に振った。
「……それは考えた事無かったのかい?」
妙に抜けた発言をするリオンを見て、レクサールは中半呆れた。
「いや、うちがスポンサーだったことをすっかり忘れていた。そう云えば、経営側だったな、俺」
頭をポリポリと掻きながら、「あー、成程。そりゃ、目を付けられるかあ」と、リオンは溜息を付いた。
「ちっとも考えていなかったのか」
間の抜けた返事に対して、思わずレクサールは再確認をする。
「想定外でしたな」
苦笑しながらリオンは戯けた体で答えた。




