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神と魔王と人類と  作者: 高橋太郎
第一章 転入
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その4

「そんなに違うのかな?」

 気を取り直すかの様に、レクサールはリオンに(たず)ねる。

「違うだろうな。魔族(まぞく)とは本来混沌(こんとん)の影響を強く受けている種族だ。秩序(ちつじょ)(かた)まりたる神族(しんぞく)とはある意味で相容(あいい)れない存在だからねえ。四角四面な生活など向いておらんよ」

 苦笑しながらリオンはレクサールの問いに答えた。

随分(ずいぶん)と違うものだな」

 (みょう)に感心しつつ、レクサールは(つぶや)いた。

「ま、世界が違うからな、文字通り。あと、魔族(まぞく)は地獄耳だから聞かれたくない言葉は心の中に仕舞(しま)っておく事を忠告しよう。俺なんかは鷹揚(おうよう)(ほう)だが、気が短くて喧嘩(けんか)(ぱや)(やつ)らも割といる。神族みたいに()(つくろ)う事をしない荒っぽい気質(きしつ)を好む種族が多いからなあ。逆を云えば、その本性(ほんしょう)を隠して(うら)みを何時(いつ)までも持ち続けるタイプもいるから気をつける様に」

 レクサールの呟きを聞いてか聞かずか、リオンはにこやかな表情で忠告した。

「リオンもかい?」

「さて? 俺はどっちだろうね」

 ()()ぐな質問にリオンは笑いながら言う。「まあ、俺も魔族だから喧嘩っ早いところはあるが、自制はするぞ。(あと)面倒(めんどう)になる場合とか、じっくりと復讐(ふくしゅう)した方が面白い場合とか、な。それに、一応冥府(めいふ)(かみ)の血筋も入っているから、他の魔族よりは反応が読みにくいかも知れんな。ただ、身内には自重する事にしている」

「身内には? 何か理由でもあるのかい?」

 興味深そうにレクサールは問い返す。

「魔族だからと云って、誰でも彼でも罠に()めるというわけでは無いって事だ。当然理由はそれだけでは無いが、一種の(かせ)だな。神族(ほど)血統主義では無いとは云え、実力主義を(うた)う魔族とて、なんやかんやで父祖代々伝わってきている力はピンキリだ。うちなんかは割と強い部類になるから、何も考えずに攻撃すると焦土(しょうど)しか残らないとかそんなオチもあり()る。誰にでもそんな対応していれば、周りが敵だらけになって生き残れないだろう? だから、一族の(おきて)に身内には手を出さないというモノがあってな。そうやって身内を増やしているワケだ、うちの傘下(さんか)に入れば攻撃されないよ、と喧伝(けんでん)して、な」

 くすくすと笑い、リオンはさらりと(ろく)でもない事を言い放った。

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