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神と魔王と人類と  作者: 高橋太郎
第一章 転入
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その3

「呼び捨てで良い。こっちも呼び捨てにするし、同級生だからね。ま、それに手間も(はぶ)けた」

 (さわ)やかな笑みを浮かべ、リオンは数度(うなづ)いて見せた。

「……手間?」

 リオンの意図が見えず、レクサールは首を(かし)げる。

「ああ。君の案内を(おおせ)せつかっていてね。とりあえず時間つぶしをしてから校門の前でぼけっと待とうかと考えていたところだ。実に都合が良い」

 ()()れしくレクサールの肩を叩きながら、リオンはにやりと笑って見せた。

「……最初から、俺が誰かと分かっていたのかい?」

 レクサールは微妙な顔付きでリオンを見る。

「ははははは、こういう第一印象ははったりを()かせるモンだろう? 何せ、魔族(まぞく)、だからね」

 ニヤニヤと笑いながら、リオンはレクサールに答えた。

成程(なるほど)。一つ勉強になったよ」

 レクサールは大きく溜息(ためいき)を付いた。

「ふむ? 前の学校には、俺みたいなのはいなかったのかね?」

 (いささ)不思議(ふしぎ)そうな表情を浮かべ、リオンは(たず)ねた。

「お(かた)い学院だったからなあ。主神(しゅしん)(きゅう)の血筋の止事無(やんごとな)(かた)が多かったせいか、魔族は余り姿を見なかったな。皆無(かいむ)、ではないらしいんだが、俺は見た記憶が無い」

 幾分(いくぶん)か遠い目をしながら、レクサールは苦々しく前の学校のことを思い出していた。

「ははぁ、()()う環境だと魔族は暮らしにくかろうな。成程、成程。どうしてそんな学校に行ったかは()(かく)日陰者(ひかげもの)としてなるべく気が付かれない外見にでもしているんだろうな。心底、俺はこの学園(がくえん)で良かったと思うよ」

 そんなレクサールの心境を知ってか知らずか、クスクスと笑いながら、リオンは割と真面目(まじめ)な表情を浮かべて言った。

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