その3
「実に結構。どちらにしろ、レクサールの世話係はここに居る四人なのだから、暫くは色々と諦めて貰うしかないんだがね」
何故か箸で西洋式朝食を器用に食べているリオンがしれっとした顔で重要な発表をした。
「……流石に聞いていないんだが?」
表情を歪めながら、暁生は箸を置く。「世話係になるのは一向に構わないんだが、何時誰が決めたんだね? これでも多忙な方なんだがね?」
「ついさっき、多分、姉さん方が」
然う言いながらリオンは懐から取り出した携帯電話を素早く操作し、そのまま暁生に投げ渡した。
無言でそれを素早く空中で掴み取ると、まじまじと画面を見た。
「まあ、然う云うワケでな、何か困ったら基本的に俺達に聞いてくれ。知っての通り、部屋も同じフロアだし、気軽に尋ねて来て貰って結構。多分、クラスも一緒になるはずだから、授業で分からないところは気軽に聞いてくれ。あと、慣れるまでは選択授業は俺かあっちゃんが取っているものを一緒に受講してくれると助かる。まあ、他にどうしても取りたいものがあるなら仕方ないけどな」
携帯メールを真剣な表情で読んでいる親友を無視して、リオンはレクサールに話しかけた。
「ああ、うん。よく分からないけど、とりあえず宜しく」
状況把握に失敗したレクサールは、とりあえず状況に流されることを選んだ。
「デズモリア先輩は契約書とかをちゃんとみる癖、付けた方が良いと思いますよ」
沈痛な表情を浮かべながら、闇飛はぼそりと呟いた。
「俺を悪徳セールスマンか何かのように云うのは止めてくれないかね?」
和やかに笑いながら、リオンは闇飛の方を見た。




