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神と魔王と人類と  作者: 高橋太郎
プロローグ
1/723

その1

 世界と()を守る竜は一対(いっつい)にして()かたれざるモノなり。

 世界は竜の巣にして家族なり。

 竜は世界の守り手にして兄弟なり。

 竜無くば、世界は混沌(こんとん)の海に沈まん。

 竜無くば、世界は秩序(ちつじょ)の元に()さん。

 ()ればこそ、竜は世界と離れがたく、世界は竜の庇護(ひご)(ほっ)する。

 されど、紅天(こうてん)世界の竜、己の伴侶(はんりょ)無きを(なげ)く。

 その嘆き、竜を奪われし世界に届く。

 故に、竜へと甘言(かんげん)(ろう)す。

 我が守護竜を見つけたならば、婿(むこ)にすれば良い、と。

 最強の守護竜たる剣聖(けんせい)紅葉(くれは)竜皇(りゅうおう)、それに応じ、蒼天(そうてん)世界へと旅立つ。

 紅天世界、其が(ため)に守護竜無し。

 然れば、神も魔も人も手を取りあいて、世界を守る。

 世界を無に()とさぬ為にも。


「どんな世界にも、変わり者は居るし、問題児は尽きる事無し」

「全く(もっ)て、厄介(やっかい)な話だな。世の中、俺みたいな真面目(まじめ)なのばかりなら平和だろうに」

        ────世界の成り立ちを初めて聞いた時のとある友人たちの会話より



 レクサール・デズモリア。

 名門聖リュニヴェール学院に優秀な成績で入学し、ありとあらゆる教科で優秀な成績を残すも、不祥事(ふしょうじ)による退学措置(そち)を受ける。

「ねえ、リオン。この履歴(りれき)何処(どこ)面白(おもしろ)いのかしら?」

 机の上にある履歴書を指差し、視線の先にいる弟に艶然(えんぜん)とした笑みを浮かべながらイシュタルは有無を言わせぬ調子で(たず)ねる。

「分かっていながら聞くのは(ずる)いってモンだよ、姉さん。当然、あらゆる教科で優秀な成績を残したってところさ」

 視線に()められた魔力を柳に風とばかりに受け流し、リオン・ヴァシュタールは平然と笑い飛ばした。

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