ついてない!
今日はついていない。
朝起きたら8時だった。
会社は8時半から、会社までは1時間かかる。
ちこくけってい。
仕事をやすむことに決める。
8時半ちょうどに会社へ電話する。
いつもやさしい人が電話に出てくれる。
今日は上司だった。
いやみ、こごと、ねんぶつ、おだぶつ。
一時間近く聞いていた気がした。
実際そうだった。
ふてくされて寝ることにした。
、、、、、、、、、
ぐう!
腹がなった。
うごくのが面倒、我慢する。
ぐう!ぐうぐう!
腹がなった。
うるさい、何か食べる事にする。
立つのが面倒。
ずるずる、ずるずる、ずるずる、ずるずる。
冷蔵庫までの5メートルをほふく前進。
がちゃ。じーっと見る。
なにもない。
もっと良く見る。
小さなハエみたいなものがたくさん居た、あわてて閉める。
ばたん。
見なかったことにしよう。
ずるずる、ずるずる、ずるずる、ずるずる。
テーブルに移動して下の袋をあさる。
がさごそ、がさごそ、がさごそ、がさごそ。
いえーい。
カップラーメン発見。
賞味期限が切れている。
想定内。
おゆをそそぐ。
じょじょじょじょじょ、、、、、ごばあ!
お湯切れ、少し足りない。
でも、3分待つ。
じーっと待つ。
3分たった。
いただきま~す。
ぐさ!
カップラーメンにはしが刺さる。
硬くて食べられない。
お湯を湧かしたのは何時?
、、、、おとといだった。
とりあえずそのまま食べる。
ばりぼり、ばりぼり、ばりぼり。
しょっぱくて、かたくて、おいしくなかった。
中途半端に食べたのでよけいに腹が減った。
しかたがない、コンビニに行こう。
立ち上がるとカップラーメンのカップが倒れた。
つた~、っと、汁が流れる。
たたみに染み込んでいく。
けっこうな速さだ。
つい染み込んでいくのを見てしまった。
あわてて近くの布で拭く。
この間買って来たシャツだった。
流しのたらいにシャツを入れて蛇口をひねる。
めき。
蛇口のとってがもげる。
水が止まらない。止めようがない。祈っても無理。
流しの下に隠れている蛇口をまわす事にする。
かたい。
回らない。
でも少し回った。
水は止まらなかったが、勢いは弱くなった。
今日のところはこれで許してやろう。
痛み分けだ。
ショキーンと、ズボンをはき、さっそうと玄関をめざす。
ごっ!
たんすに足の小指をぶつけた。
いたい。
死ぬほど痛い。
とりあえず転がって痛みを散らす。
ごろごろごろ、ごろごろごろ、ごろごろごろ、ゴスッ!
たんすの角に頭をぶつけた。
転がるのは懲りたので、丸くなって堪える。
痛いものは痛い。
ここは堪えて早く行って来てゆっくり過ごそう。
それが正解だと信じられる。
玄関を出てノブの中心を押して閉めた。
ブキッ、ガチャン。施錠完了。
階段に差し掛かり、妙な浮遊感が辺りを支配する。
だだだだだだだだだだだだだん!
階段から落ちた。
痛い。
後頭部に穴でも開いたかのような痛みが走る。
たんこぶが出来ていた。
それに比べたら、コンビにまでの道のりは平和だった。
車にはねられそうになったり、
自転車を避けたら左足をどぶに落としてしまったり、
電信柱にぶつかったりというのはたいした問題ではない。
コンビニの入り口に立った。
ほら、ここで買って帰ってメシ食べて寝るだけ。
いい一日だったじゃないか。
コンビニのドアを開ける。
べちゃ。
ゆ~っくりと、視線を落とす。
股間にソフトクリームがはえていた。
やれやれだ。
子供が泣いている。
泣きたいのはこっちだ。
カップメン2個と飲み物2本、これで明日の朝までしのぐ。
ゴトンとレジに並べる。
じゃじゃじゃ、じゃきーん!
レジで出た金額を見て財布を開く。
チャリン。
お金が足りない。
財布の325円を見つめる。
とりあえず返して、カップラーメン一個とジュース一個を買った。
コンビニを出た。
めまいがするくらい熱い。
べちょ。
股間についたソフトクリームが下に落ちた。
右足だ。
気分が悪いのでそれを蹴り飛ばす。
べちょ。
宙を舞い、頭に落ちた。
どうにでもしてくれ。
ふるふると、頭を振る。
そいつはずるりと落ちてさっきの買物袋に落ちる。
何のつもりだろう。
天をあおいだ。
とにかく銀行に行ってお金をおろさねばなるまい。
銀行に行く途中にも楽しいイベントは組まれていたけど、
かぶるので秘密だ。
べつに車のドアミラーにぶつかったとか、
捨て看板につまづいて転んだとか、
そんな事を言いたいわけじゃない。
とにかく銀行についた。
ら、
銀行強盗が居た。
ほーるどあっぷ。
手をあげる。
財布を取られる。
中身を見られる。
銀行強盗の目に哀れみが浮かぶ。
やめてくれ。
同情なんてごめんだ。
とりあえずこの不運の半分持って行ってくれ。
今なら特別に2割増してつけてあげよう。
でも、銀行強盗はそんなことしてくれない。
ポケットに1万円をねじ込んでくれる。
ラッキー。
でも、なぜか今警察署に居る。
カツ丼が食えた。
昼食浮いた。
ラッキー。
午後になって家に送ってもらった。
ラッキー。
でも家は鍵が閉まったままだった。
鍵は家の中だ、、、
うろうろしていると、不審者扱いされて、また警察に行く事になった。
今度は夕食が食べられるかもしれない。
少し幸せ。
おわり。
はじめて投稿してみます。
コレを書いたのは……。
10年位前だったかな?
長編は途中で止まってしまうのが難点で一度も完成していないし。
とりあえず、あげてみました。