惑星回帰
掲載日:2025/11/26
人間が火を発見してから何十万年か経った。その間に人間はありとあらゆる兵器を用いてたくさんの戦争を繰り返した。大地と海は酷い汚染に侵され、人間の数は少なくなった。動植物はほとんどが絶滅した。何千回目かの戦争を終えると、汚染された瓦礫の山を見て、ひとりの人間が声を上げた。
「もっと住みやすい星へ移ろう」
これには反対する者はいなかった。そうして人間は住み慣れた星を離れた。
――気が遠くなるほどの時間が過ぎた。かつて人間が破壊し尽くした星は奇跡的に蘇り、深い緑色の大地と青く澄んだ海には無数の命が存在した。
あるとき、星に隕石が落ちてきた。その衝撃は凄まじく、星全体が揺れるようだった。それまで穏やかだった気候が一転して吹雪の吹き荒れる厳しい環境になった。それまでいた巨大な生物は寒さに耐えられず倒れていき、小さく弱い生き物だけが生き延びた。
遂に、最後の巨大な生き物が飢え死ぬと、隕石が小さく揺れた。長く続いた吹雪は、電源を切るように急になくなった。そして、隕石を模した宇宙船が開き、二本足の生き物が飛び出した。
「邪魔な生物はみんな死んだぞ」
「素晴らしい環境ね。ここなら私たちが住むに困らない。早速仲間たちに連絡しましょう」
「ああ。それにしても、先祖はなぜ、こんな良い星を見逃していたのだろうな」




