第7話 ミオちゃんの姿
天野「ミオのデザインどうしよう?」
西村「そこは考えてなかったんだな」
天野「こだわりはなかったからね」
小池「はーい、じゃあ白いワンピースの女の子がいいでーす!」
天野「なんで?」
小池「研究なんだから、目立つデザインで惹きつけすぎるのは良くないよね。でも圧倒的かわいさがないと」
ミハウ「キュートじゃないとね!」
西村「はいじゃあ決まり。あと髪色とかか?青にしとくか?」
ミハウ「でもミオって名前でしょ?青にすると初音○クみたいになっちゃうよ。緑がいいデス!」
天野「なんで?」
ミハウ「海藻みたいに、すくすく育ってほしいからですね!育ったら、美味しい、おにぎりの海苔みたいに輝きます!」
天野(それ輝いてるのかな……)
小池「いいんじゃない?目の色も輝く緑色にして、圧倒的かわいさに仕上げるから任せといて!」
天野は笑いながら、ふと真顔になった。
天野「……でも、なんで“かわいい”が必要なんだろうね」
西村「今さら何言ってんのさ。“かわいさ”ってのは感情と論理の交差点だぞ。合理的に設計された感情装置なんだよ、たぶん」
李「ユーザーの注意を引くために最小の刺激量で最大の反応を得る。それが“かわいさ”の本質だとすれば、機能として最適です」
ミハウ「そうそう。かわいさは、戦略デス!」
小池「でもあたしは、かわいくしてあげたいからかわいくするだけだよ?」
その言葉に、一瞬みなが黙る。
天野「……そういうのが、いちばん強いかもな」
白いワンピース、淡い緑の髪と目。
きっと、それは“最適解”でも、“象徴”でもない。
ただ、誰かが“こうあってほしい”と願った姿。
──ミオという名前の、その子が生まれる準備が、いま整おうとしていた。
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