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第6話 開発はじめ!ーーーその名は、ミオ
天野「……こんな感じかな?」
ホワイトボードにマーカーを走らせ、天野が一歩下がる。
ーーー 分担内容 ーーー
天野:代表・進捗管理・ミオとの初期接触(※火種)
西村:AI実装・デバッグ
小池:アバター設計・表情制御・かわいさ100%保証
ミハウ:重力演出・モーション全般
李:PASSロジック・演算設計・数式担当
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西村「ま、そんなもんじゃね?」
椅子で回りながら答える。
小池「かわいく作っちゃうよー!」
ぴょんと跳ねるように立ち上がり、拳を上げる。
ミハウ「こーんな感じに、重力、ふわっとさせると“演出された自然”って感じ出るから〜!」
既にワンピースを着て、鏡の前でモーション撮影していた。
李「定式化できたら、西村さんに逐次渡していきます」
一人かしこまり、ホワイトボードを見ていた。
天野はペンを置き、白ボードを見回して言った。
「──みんな、頑張ろう」
天野の掛け声に、みな軽くうなづいた。ただ、それだけ。
プロジェクト《Mio》。
この瞬間、研究ではなく──ひとつの“物語”として動き出した。