元カノの悲劇 その2
あたしがパパに散々叱られた後、あたしはこんなことを思いついた。
「そうだ、アイツと復縁すればじゃない!そしてアイツにフライマリンの社長にパパの会社との取引をまたしてほしいとお願いさせればいいのよ。フライマリンの社長も自分の甥の頼みなら断れないだろうし。そしたらパパのクビも無くなるわ。それにあのフライマリンの社長の甥ならフライマリン製のアクセや化粧品も安く手に入るどころかタダで手に入れられるかも!」と。
「ヤバイ、スッゴい財布が手に入ったわ。」
そう思ったあたしはそう言って早速明日する予定の買い物のプランを練った。
そういえばアイツにはなんて言おうかしら……。
まあ気が変わったから付き合ってあげるって言えば充分よね。
このあたしがアイツに頭を下げるなんてあり得ないしね。
むしろまたこのあたしの金づるにしてあげるんだから感謝してほしいくらいだわ。
そして次の日、あたしはアイツを屋上に連れ出すことに成功した。
アイツの幼馴染が何かあたしを睨み付けながらずっとアイツにくっついていたからすぐには連れ出せなかった。だからあの幼馴染がトイレに行った瞬間がチャンスだと思った。そして屋上に連れ出すことに成功できた。
あの幼馴染もこのあたしを睨み付けるなんて不敬だと思ったがコイツとよりを戻すのが最優先なのでほっとくことにした。
「何の用?」
アイツが言った。
ふふん、感謝しなさいよ。このあたしがよりを戻してあげるって言うんだから。
「気が変わったの。あんたと付き合ってあげてもいいわよ。」
「は?」
「そう、やっぱ嬉しいのね。そんじゃ今日の放課後、早速デートに行きましょうか。」
よし、これで財布ゲット~♪何買わせようかな~♪
しかし、コイツはとんでもないことを言いやがった。
「何言ってんの。行く訳ないじゃん。」
「それじゃ………え?あれ聞き間違いかな?今、行かないって聞こえたんだけど。」
「聞き間違いじゃないよ。僕は陽子とはデートに行かないと言ったんだ。」
「え!?なんで!?」
このあたしがデートに行ってあげるって言ったのよ!?普通泣いて喜んであたしに感謝するところでしょ!?
「なんでって……そりゃそうでしょ。人を金づる扱いしといて。」
「あ、あれは悪かったと思ってるわよ。」
本当は思ってないけど財布を手にいれるための我慢だと思って下手に出てあげた。
だけどコイツはすぐに調子に乗った。
「それだけ?謝罪の言葉は?」
「は?」
コイツ何言ってんの?
「だから『人をあれだけ傷つけたんだからそれに対する謝罪の言葉は?』って聞いてるの。」
「は?ちょっとあんた人が下手に出てるからってなに調子乗ってんの?」
なんでこのあたしがお前なんかに謝らないといけないの?頭沸いてんじゃないの?
「つーかこのあたしが付き合ってあげるっていうのにその態度はなに?あんた何様のつもり?」
「そっちこそ何様のつもり?別に僕は陽子程度と付き合うつもりなんてないよ。」
「は?『陽子程度』?」
コイツ調子に乗りすぎじゃないの!?金づるの分際でこのあたしに生意気な口聞きやがって!
「あんたさっきから黙って聞いていれば!いい加減にしなさいよ!金づるの分際で!せっかくこのあたしの金づるにまたしてやろうってのにさあ!」
「ふーんまた金づるにねぇ…………」
しまった!
「あ、いや、その今のは………。」
「僕はまた金づるになる程の馬鹿じゃないから。もう話しかけないでね。」
あたしはデカイ財布を失ったことと財布ごときに振られたという事実がショックでしばらく何も言えなかった。
あの後、学園に居づらくなったあたしは学園をサボることにした。
そして夕方くらいまで適当に時間を潰してると金づるの1人を見かけた。
イライラしていたあたしはあの金づるに高い物をたくさん買わせようと思い金づるに声をかけた。
「あらいいところであったわね。デートしましょ。あたし欲しいものがあるのよ。」
「するわけないだろ。」
「それじゃ……え?」
コイツ何言ってんの?
「お前がたくさんの男を金づる扱いしているのは知ってるんだよ。」
は!?なんで知ってるの!?
「昨日ツイッター見てたらこんなのを見つけたんだ。これお前だろ?」
それはあたしが昨日の金づるを捨てたときの動画だった。
どうやら誰かな勝手に撮ってツイッターにあげたらしい。
「お前の金づるになる気はない。二度と俺の前に姿を表すな。このクズ。」
ふん。あたしにはまだ金づるが………そういえばツイッターにあがってたのよね………ということはまさか!
あたしはすぐラインを確認した。すると金づる全員がもう会わないと書いてあった。
ふざけんじゃないわよ!全員金づるの分際で!
最近なんか悪いことばかり起きるわ。クソ!あたしが何かしたっていうの!?
作者は女心をあまり理解してないので変なところがあったらいつでも指摘してください。
こっちの小説も気が向いたら見てください。
https://ncode.syosetu.com/n9734ht/