元カノが復縁を求めてきたがキッパリと断る
今日は朝からおかしなことを言われた。
真理ねえさんからは「おかしな女に騙されちゃダメよ。」
咲希ちゃんからは「気をつけてください。」
杏奈ちゃんからは「翔吾にぃはあんな女にわたさない!」
明日菜からは「翔吾、いざというときは逃げるのよ。」
と言われた。
今はみんなと登校中で、言葉の意味が知りたいけどみんながやけにピリピリしているので帰りに聞こうと思った。
そんなことを考えているうちに学園についた。
咲希ちゃんと杏奈ちゃんが明日菜に何か頼んでいるみたいで何を頼んでいるか気になったが何故か教えてくれなかった。
しかし三時間目の休み時間に事は起きた。
いつもと違って友達と一言も話さずにずっと一緒にいる明日菜がトイレに行って離れた途端、僕は陽子に「ちょっとついて来て」と言われ半ば強引に屋上まで連れていかれた。
「何の用?」
「気が変わったの。あんたと付き合ってあげてもいいわよ。」
「は?」
「そう、やっぱ嬉しいのね。そんじゃ今日の放課後、早速デートに行きましょうか。」
「何言ってんの。行く訳ないじゃん。」
何その手のひら返し。
「それじゃ…………え?あれ聞き間違いかな?今、行かないって聞こえたんだけど。」
「聞き間違いじゃないよ。僕は陽子とはデートに行かないと言ったんだ。」
「え!?なんで!?」
まさか………分からないのか?
「なんでって……そりゃそうでしょ。人を金づる扱いしといて。」
「あ、あれは悪かったと思ってるわよ。」
「それだけ?謝罪の言葉は?」
「は?」
「だから『人をあれだけ傷つけたんだからそれに対する謝罪の言葉は?』って聞いてるの。」
「は?ちょっとあんた人が下手に出てるからってなに調子乗ってんの?」
あれ、おかしいな。下手に出てる?全然出てないんですけど。
「つーかこのあたしが付き合ってあげるっていうのにその態度はなに?あんた何様のつもり?」
さっきから聞いてればそっちこそ何様のつもりだよ。コイツ何か裏があるんじゃないか?挑発して本音出させてみるか。
「そっちこそ何様のつもり?別に陽子程度の女の子と付き合うつもりなんてないよ。」
「は?『陽子程度』?」
よし、乗ったな。
「あんたさっきから黙って聞いていれば!いい加減にしなさいよ!金づるの分際で!せっかくあたしが金づるにしてやろうってのにさあ!」
やっぱり。また金づるにする気だったんだな。
「ふーんまた金づるにねえ…………」
「あ、いや、その今のは………。」
「僕はまた金づるになる程の馬鹿じゃないから。もう話しかけないでね。」
僕は胸がスッとした。あの陽子があんな顔するなんて。あの顔は見ていて爽快だったね。
キーンコーンカーンコーン
あっ、やばっ!授業が始まっちゃった!
僕は急いで教室に戻った。
教室に戻ると先生にちょっと叱られたが陽子の件で気分がスカッとしていたので全然気にならなかった。
授業中、明日菜が「あの女と何話してたの?」と聞かれた。
何故明日菜がそれを知っているのか気になったが僕は「やり直したいと言われたが断ったと言った」と伝えると明日菜はほっとしていた。
因みに陽子は昼休みに荷物を取りに来てそのまま早退したらしい。
それを聞いた僕はほっとした。正直、顔を見たくなかったからね。
作者は女心をあまり理解してないので変なところがあったらいつでも指摘してください。
こっちの小説も気が向いたら見てください。
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