元カノと完全完璧に縁を切る
今日は終業式。
これが終わればその瞬間から夏休みがスタートする。
『それでは学園長の話です。』
『えー皆さんは………』
あーあ、学園長の話が始まったか………。うちの学校の学園長は話が無駄に長いんだよなー………。他の生徒なんて隣の人とこっそりおしゃべりしたり立って寝てるやつもいるんだよね……。
先生側もつまらないのかバレないように普通に寝てる人のが多いし………。
『………ということです。おっとちょっと長く話しすぎましたね。それでは話を終わります。』
やっと終わったか………。立ちっぱなしで30分も長い無駄な話を聞かされるこっちの身にもなってほしいよ………。
『………ハッ!い、以上、が、学園長の話でした!ためになるお話でしたね。』
ほら、司会の人も寝てたじゃん。つーか司会が寝てどうすんだよ。
まあ長い話も終わったし、後は教室で夏の課題と大掃除をすれば終わりだ。頑張ろ。
教室に戻った僕は机の中を整理していると中に謎の手紙が入っているのに気付いた。
僕は差出人が書かれていないのが気になったが誰の手紙か確認するために中身をみた。
…………こ、これは………
僕は明日菜達に帰るのを待ってもらい差出人のいる屋上へと向かった。
そして屋上に着くとすっかりみすぼらしくなった陽子がいた。
「やっぱり陽子か。この汚い字ですぐわかったよ。相変わらずミミズがサンバをしているかのような字だね。で、何の用?」
「あ、あたしが悪かったわ………。だからあたしのことを許して!またやり直しましょう!今度は裏切ったりしないから………」
「嫌だよ。」
「な、何で?あたしはこんな真剣に謝ってるのに………」
「気持ちが込もってないからね。どうせ僕と付き合うことが出来れば父親のクビを取り消せると思ったんでしょ。」
「な、なんでそれを………。」
「仮にも君とは恋人関係だったからね。そういうことはすぐ分かる。悪いけど僕はそんな都合のいい人間にならないから。それに今の僕には陽子とは比べ物にならないほど可愛い恋人達がいるから。彼女達をダイヤモンドだとするなら陽子は薄汚れた石ころみたいなものだよ。」
「はあ!?このあたしが黙って謝ってるのに舐めた口を………。」
「ほら自分が偉いと思ってる。いい加減現実見なよ。陽子はもう楽しい人生を歩むことは出来ないんだよ。自分の立場が分かったんならとっとと消えてくれるかな。」
陽子はショックのあまりずっとうつむいていた。
「あ、そうそう。陽子、君には1つお礼を言っておくよ。」
「………は?お礼………?」
「ありがとう。君が浮気してくれたおかげで僕は今幸せです。」
陽子が浮気したおかげで僕は今幸せだからね。可愛い彼女達がいるからもう理不尽な存在の言うことを聞かなくてもいいし、高い物を貢ぐ必要もなくなったしね。
「あたしがあんたと別れたおかげで幸せですならあんたも私のことを幸せにする義務があるでしょ!あんたの叔母にパパの会社との取引を再開させてパパのクビを取り消すように頼みなさいよ!」
「え?それとこれとは話が別でしょ?僕は陽子なんかの言うことなんて聞きたくないし。」
「う、嘘………。」
「分かったらもう2度と話しかけてこないでね。次、僕かもしくは僕の恋人達に近づいたりしたら今度こそ本当に容赦しないからね。」
「ね、ねえ!待ってよ!あたしが悪かったから!あたしとやり直しなさいよ!」
うるさいなあ、イライラしてくるんだよ。その耳障りな声が。
「ねえ!聞いてるの!聞こえてるんならこのあたしとやり直………」
「うるさい!その汚い口をさっさと閉じろ!この社会のゴミ!お前の声は僕のストレスをどんどん増幅させるんだよ!その耳障りな声が僕をイライラさせるんだよ!それが分かったら2度と口を開くな!このストレス製造機!」
僕は陽子に怒鳴りつけると完全に僕に臆した陽子をそのままほっといて屋上を出た。
屋上を出ると明日菜達が待ってくれていた。
「言いたいことは言えた?」
明日菜がそう訪ねてきた。みんなは相手が陽子だと知って行かせてくれたのか。僕が陽子に言いたいことを言わせるために………。ホント僕にはもったいない恋人達だよ。
「うん。スッゴくスッキリしたよ。」
僕は陽子に今まで溜まっていた不満を全てぶちまけられたおかげで今までにないほどスッキリしている。スッゴく気分爽快だ。
これで陽子とは完全に縁が切れたし今日からは彼女達との楽しい時間が待っているんだ。明日から毎日が楽しくなるなぁ。ワクワクしてくるよ。
これで一章は終了という感じです。といっても二章からも普通にいちゃついてるだけです。
作者は女心をあまり理解してないので変なところがあったらいつでも指摘してください。
もしよければこちらの新作もどうぞ。
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