叔母とその秘書と学園の先輩とお昼
今日は土曜日。
特に何もすることがないので僕は杏奈ちゃんとゲームをしていた。
すると咲希ちゃんが「ああっ!」と叫んだ。
「どうしたの?」
「真理姉さんが弁当を忘れていったんです。今朝、あれほど弁当を早く鞄に入れないと忘れると言ったのに。」
真理ねえさん、弁当忘れちゃったのか。
真理ねえさんは仕方ないなぁ。
「それじゃあ僕が弁当を届けに行くよ。今から行けばちょうどお昼の少し前に到着するし。」
「そうですか。それではお願いさせてもらいますね。」
「私も行く!」
「杏奈は私と留守番です。」
「えー!?なんでー!?」
すると咲希ちゃんは杏奈ちゃんを近くによんでひそひそ話しはじめた。
(今日はちょっと生理痛がひどくて………。)
(あ、なーるほど。確かにそれだと咲希ねぇ1人じゃ家事をするのもキツいよね………。うん、分かった。)
「翔吾にぃ、やっぱり私、咲希ねぇと留守番してるね。」
「うん、了解。」
「はい、お弁当です。気をつけて行ってきてくださいね。」
「うん。行ってきまーす。」
「翔吾にぃ行ってらっしゃーい。」
「ふう、着いた着いた。」
家を出発してから一時間ぐらい経った後、俺はデカいビルの前に立っていた。
真理ねえさんが社長をしている会社『フライマリン』の本社だ。
相変わらずデカいオフィスだなぁ。
僕は中に入ると受付まで向かった。
「いらっしゃいま………あら、翔吾さん。どうなさったんですか?」
僕は顔見知りの受付の人に要件を伝えた。
「真理ねえさんが弁当を忘れたので届けにきました。」
要件を伝えるとすぐに迎えがくると言った。
そして、少し待つと迎えの人がやって来た。
「翔吾さん。」
「あっ、真魚さん。」
来たのは真理ねえさんの秘書の水澤真魚さんだった。
「わざわざすみません真魚さん。」
「いえいえ、悪いのはお弁当を忘れた社長ですから。」
俺は真魚さんと一緒に社長室へと向かった。
向かっている途中で真魚さんがこんなことを聞いてきた。
「そういえば翔吾さんって彼女と別れたそうですね。」
「え?なんでそれを知ってるんですか?」
「社長が教えてくれたんです。」
「何言ってんだよ真理ねえさん………。」
「私は別れて正解だったと思いますよ。あの女どころかその家族もクズですから。」
「どういうことですか?」
「あの女の父親はパワハラセクハラに部下へサービス残業を強要してたから部下からは嫌われていたんです。おまけに母親もファミレスとかで自分の髪の毛やオモチャのゴキブリなんかを使ってイチャモンつけたりしてたらしいんですよ。」
うわぁ、ろくでもない家族だな。
娘は男を騙して金づる扱いにする。
父はパワハラセクハラに部下へサービス残業を強要する。
母は飲食店でイチャモンつけて迷惑をかける。
何故そんなろくでもない家族になったか逆に気になるわ。
そんなことを離してるうちに真理ねえさんのいる社長室に着いた。
「社長、翔吾さんが到着しました。」
『え!?翔吾が!?やったー!弁当忘れて良かったー!』
『マジで!?会えるのは月曜日だと思ってたのにラッキー!』
中から真理ねえさんと別の人の声が聞こえてきた。
というかこの声って……
真魚さんが扉を開けると真理ねえさんと最光学園大学部1年でモデルをしている五代雪美さんがいた。
「よく来たわねー!翔吾!」
「翔吾くん、私と一緒にデート行こ!」
「それは反則よ雪美ちゃん!」
「いいじゃないですか!社長は翔吾くんと一つ屋根の下で暮らしてるんでしょ!」
「それとこれとは話が別よ!」
「横暴だ!」
真理ねえさんと雪美さんが詰めよってきてそのまま言い争いを始めた。
すると真魚さんが二人に声をかけた。
「あのーお二人とも?そろそろ終わってください。」
「はーい。」
「ちぇー。」
さすが真魚さん。言い争いの止め方が実にあざやか。
「それで翔吾さんはここでお昼を食べて行きますか?」
「翔吾、そうしましょ!」
「一緒に食べよ!」
真理ねえさんと雪美さんはめっちゃ一緒に食べたがっているし、一緒に食べるか。
「うん、そうするよ。」
そして僕は3人とお昼ご飯を食べた。
作者は女心をあまり理解してないので変なところがあったらいつでも指摘してください。
こっちの小説も気が向いたら見てください。
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