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ナイトウォーカー  作者: 荘野司郎
1/1

今日すれ違う人は…。

最初にすれ違う人。この人はいったい…

腹回りの腹巻きのような贅肉。増えた体重…。階段を上がると息切れ。

私はしがない中年サラリーマン。

仕事から帰るとビールとツマミの夕食を済ませてから、少しの休憩をはさんでからナイトウオーキングに出る。

[ナイトウォーカー]

約4km、6000歩。これが私のルーティン。毎日同じ道のり、同じ景色。そんな中、決まってすれ違う人もいる。

漆黒の私の背後から、同じ時間に来る自転車の少女…

こんな遅い時間に少女一人…、怖くはないのだろうか。

女子高生?女子大生?いや、きっと高校か大学を卒業後、正社員ではなく繁華街の飲食店で閉店までアルバイトをしているのに違いない…。決めつけではない。私の予測。

少女が飲食店で忙しく働いている。客が帰った後、テーブルの上ね皿を片付ける少女。白い布巾を被る後ろから、ポニーテールにまとめた髪が見える。

「おい!早く片付けろ!」店長らしき男の急かす声。

「はい、すみません」手を早める少女。

その対面のテーブルを拭いている初老の男。優しい微笑みを浮かべ、口元がかすかに動く。「大丈夫、大丈夫。気にしない」。

少女はベコリと会釈。そして、閉店。

「お疲れ様でしたー」と同時に店を出る少女。店の裏に止めてある自転車に乗り帰路につく。自転車を漕ぐベダルのペースが知らず知らずに上がる。

少女の家には年の離れた弟が待っている。

店を出るときに残り物の惣菜を貰った。それをリュックにしまっている。

一所懸命ベダルを漕ぐ。

これが、いつも同じ時間に後ろから追い越して行く少女。私の頭の中にそんな光景が浮かんでいた。

次にすれ違う人はどんな人物だろうか

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