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9話:田川の世界一周と知人の死

 容積率100%だから、大きな家を建てられるが総2階建ての5LDKか広めの4LDKのどちらかがよいだろうというので5LDKでいくらかかるかと聞くと2500万円以下にはならないと言った。古家の解体と土地の整備、2台分駐車場のアルファルト工事、電気線と上下水道の配管も確認して、部品交換が必要な場合は実費となる条件で、2800万円と言った。わかった、それで、5LDKの図面を描きもってきてくれと言った。


 数日後、図面が届き、一部を変更してもらい工事をお願いする事にした。その後、田川さんから5月連休後の5月6日からスペイン、ポルトガル、ドイツ、フランス、スイス、イタリア、夏場は、イギリス、ロンドン、湖水地方、北欧、3国を回り、9月にトルコ、アメリカ、ボストン、ニューヨーク、ラスベガス、シアトル、ロサンゼルス、サンディエゴ。


そこから、11月、日本を経由して、タイ、ベトナム、マレーシア。シンガポール、バリ島、フィリピン。2005年1月にグアム、また日本を経由して、ハワイ4島を巡って、2005年年4月に日本に戻ってくる世界一周旅行を企画した。そのパンフレットの工程表を1部、賢治に渡してくれた。その後、ハイエースが10年経つので、8人乗りのエスティマハイブリッドを購入した。


 この頃になると、三井賢治の西藤モータース時代からの顧客たちが高齢化して、子供達は、首都圏に移動して、高齢者だけの世帯が増えてきた。そんな時、賢治は、自分の名刺を渡し、何かあったら電話してきて下さい、彼らに、話していた。その結果、電気が切れたとか、ドアが開かなくなったとか、蛇口が堅くなったとか、エアコンが壊れたとか、よろず相談のようなことが増えてきた。


 それでも、不機嫌そうな顔をせずに、冷えなくなった冷蔵庫、エアコン、壊れたテレビを買い換えて、賢治ができる工事は全てやり、電化製品の10%で購入、運搬設置を引き受けた。その中には、つれあいを亡くした、おばあさんやおじいさんの話しを聞きに行ったり、病院へ連れて行ったりというケースもあった。そんな、2004年8月の暑い日、

以前から親しくしていた、おばあさんの1人、米田さんが胸が苦しいと電話してき。


 そので、慌てて、車を飛ばして行くと、米田さんがベッドで息絶えていた。病院に連れて行くと熱中症と診断された。米田さんの子供達の居場所がわからないので、近所の高齢者の仲間などを集めて12人で簡素な葬式をすることにした。昔から、自治会長をしていた75歳男性の黒田さんが、米田さんの子供達2人は、日本にはいないと言い、アメリカ、ハワイとロザンゼルスに言った様だが、住所、電話番号は知らないと言った。


 そこで、三井家の菩提寺の住職に話して、埋葬してもらう様にお願いした。8月3日の火曜日が命日となった。黒田さんと手分けして葬儀業者と斎場に電話して空いてる日を聞いた。6日後の8月9日となった。三井賢治は、ハイエースを2台借りて、若い人2人に送迎のお願いした。8月9日、沼津市営葬儀場で総勢18名の出席で葬儀を行った。寺のお坊さんの読経と焼香が行われ、荼毘にふされて、その後、骨拾いを賢治と黒田さんが行った。


 お寺へは5人が同行して、賢治のエスティマ・ハイブリッドに乗せて、墓地へ行き、埋葬した。その後、黒田さんが、米田さんの家に行って、何か遺言がないか、見ようというので、出かけた。家に着いて、タンスの引出を空けると、遺言書と書いた紙が出て来た。私も83歳を越えて、いつお迎えが来てもおかしくないので、ここに遺言を書いておきます。子供達は、アメリカに行ったきりで滅多に、帰って来ません。


 そのため私の全財産は、一番、お世話になっている、三井賢治さんに残します。大きな封筒に通帳と銀行の金庫の鍵がありますと書いてあった。S銀行の通帳には350万円が入っていて、そのほか、郵便局の古い、定額貯金が3冊と生命保険証も入っていた。また家と大きな敷地の権利書も大きな封筒に入っていた。それらを見て、黒田さんが、僕が見たので、これらは、あなたへの遺産という事を証明しますと言ってくれた。


 数日後、黒田さんと同行して郵便局で米田さんの貯金額を打ち出してもらう980万円に増えていた。その米田さんの貯金を三井の口座に送金する手続きを取った。その後、S銀行の米田さんの口座の預金350万円を三井の口座に送金した。そしてS銀行の金庫のカギを渡し、開けてもらうとダイヤの指輪3つルビー、サファイヤの指輪が5つ入っていいたので事情を話し、遺言書の写真を見せ、もらってきた。


 全部、終了して、三井賢治が、同行してもらった内田さんに、お礼の気持ちですと10万円を渡した。最初、辞退していたが。今後も世話になりますので、是非、取っておいてくださいと、渡すと申し訳ないねと言った。こちらこそ、いろいろ世話になったし、これからもお世話になりますので、何卒、よろしくお願いしますと丁重に挨拶した。その後、三井は黒田さんを家まで送った。

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