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31話:「最終章」東出さんの直木賞受賞パーティー2

 東出さんが、何をなさっている方なのだろうか興味がありましたが、まさか、プロの作家で直木賞を受賞する人とは、知らず、言いたいことばかり言いました。しかし、時々、胸にグサッと刺さるようなことをさらっと言うので、只者ではないなと思いましたが、やっぱり、そうでしたか。でも、そんな素晴らしい人と仕事をできたことを誇りに思いますと言い、最後に、介護老人施設へ印税の10%を毎年寄付してくださってありがとうございますと言うと感嘆の声が上がった。


 長い、貴重なエピソードをありがとうございますと言い、ここで、一休みして、東出さんと、ゆっくりとご歓談くださいと言い、マイクを切った。すると、東出さんの所に、次々と人が来て、挨拶したり、歓談したり、肩をたたいたりして、笑顔で応対していた。そして30分くらいして、歓談が一段落したころを見計らって、いよいよ、東出さんに、受賞の弁を伺いたいと思いますと三井が言い、マイクを東出さんに渡した。


 すると大きな拍手が上がり、少しして静まると、東出さんが、私は、東京で育ち、両親のおかげで、何、不自由ない生活を送って早稲田大学文学部を出たが就職せずに小せとぉ書いていた。都会の喧騒で、小説を書くのが進まなくなると、修善寺の川沿いの古くからの宿に1週間、1ケ月間、安い料金で長逗留した。そして、いくつもの作品を書いたが、大手出版社では、個性がない、インパクトとが弱いと言われ、なかなか出版できなかった。


 新人の小説コンクールでも体裁には問題ないが、何か教科書の国語の本みたいで、印象に残らないと酷評され続けた。それでも30歳になっても父のすねをかじって修善寺の宿にこもり小説を書いていた。ある日、同じ宿に泊まっていた40歳代と思しき男性に、よく来るけど何してるのと聞かれ、小説を書いてると答えた。そして、インパクトがないと言われ困っていると告げると、読んだやるから貸してと言い、読み終えるとなるほどと言った。

 

 確かに、国語の本出てくる、小説もどきとだなと酷評した。小説は自然科学の観察日記じゃないのだから、脚色が必要だよ言われ、読者の心をつかむ文章を書かなければだめだと言われた。そして、少しオーバーに脚色した文章を書きなさいと言われ、書きだすと、だんだん良くなっていると言われて、作風が変わっていった。彼との付き合いが半年を過ぎた頃、たぶん、この程度で、作家の端くれ、相撲で言うなら幕下付け出しと言った所かなと笑われた。


 その頃、良く通ったB出版社の編集者の下村さんが、ここにおられから、この話をよく理解されておりますわと笑った。すると、これを聞いて下村さんが首を縦に振った。それから、田川さんの波乱万丈の人生を聞いて、甘ったれている自分を自覚させられた。田川さんは、東京の深川で生まれで大学卒業後、医者から結核と診断された。そのため伊豆のサナトリウムへ隔離入院し治療で2年で完治し、この地の農民、漁師の無料の差し入れで命をつないだ。


 退院後は、沼津、三島、修善寺で家庭教師を掛け持ちし食いつないだ。その彼のおかげで、作家になれたと話した。その後、彼と仲良くなり、世界旅行、日本旅行をして創設を書き、コンスタントな売り上げでプロ作家の仲間入りをした。その後、介護施設を訪問した時長い人生を生き抜いた人の人生に触れたり、彼らの死を見て、また、葬儀に参加して、大きな人生勉強ができ小説にインパクトを付けられるようになった。


 その後、最愛のパートナー田川さんがインフルエンザでなくなると、一時、魂をなくしたようになったが、これではいけない、恩人、田川さん恩師を無駄にしない様にと、修善寺であるんで来た人生を小説にまとめようと、1年発起して、ペースを崩さず、1年をかけて、小説を書き上げた。その作品「修善寺での白昼夢」がであり、それが、なお競うと取れたのは、天国にいる田川さんのおかげかもしれないと締めくくった。


 この話を聞いたパーティー参加者の多くの人が、涙をぬぐい、拍手を送り、握手を求める人も多かった。すると、18時になり、このバーに、夕食が運ばれだした。その後、夕食の時間となり個々に歓談しだした。その後、出版社の人たちが三井夫妻に、お礼を言い、次に、老人介護施設の関係者と三井夫妻にも丁寧にあいさつをした。その後、東出さんが三井夫妻の所へ来て、司会、本当に、ご苦労様と言い、労をねぎらった。


 食後、夕方、海に落ちていく夕日をバックに、何枚もの写真を撮り始めて、その光景をカメラで写真を撮る方向から眺めていると、落ちていく夕日の上に亡き、田川泰介の笑った顔が一瞬見えた様な気がして、東出芳子さんの目から涙が落ちると、横で並んでいた見ていた、三井賢治が、もしかして、田川さんの笑顔が見えたのと聞くと縦に振った。三井も見たと言い、東出さんの受賞、本当にうれしかったのだろうねと言い東出さんの肩に手をやった。「終了」

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