18話:斉藤さんの葬儀と東日本大震災
その時、亡き斉藤常子さんのエピソードが、親戚、友人、学友、仕事仲間、家族から飛び出した。彼女の冷静さと行動力、優したについてだれもが、ほめたたたえ、本当にまじめに真剣に生き切ったと、ほめているのを聞いて、東出芳子は、自分を振り返り、自分の欠点を思い起こされずにはいられなかった。これから、努力して、もっと積極的に世の中、他人様との付き合いを積極的に行わねばと感じた。
そのうちに、納骨の儀式に入り喪主の斉藤孝弘さんが最初に骨を拾い、続いて肉親が続いて、骨を骨壺に収めた。その後、葬儀が終了して、喪主の斉藤孝弘さんが葬儀に参加してくれた人たちに、お礼の言葉と、亡き母、斉藤常子さんの生前、。お世話になった方々にお礼の弁を述べるのを聞いていると、再び、東出芳子は感動して、涙が止まらなくなった。その後、墓地まで行かれる方は、マイクロバスを用意してますと言って挨拶を終えた。
貴重な人生経験だと思い、東出芳子は、マイクロバスに乗って墓地まで同行した。墓地に骨壺を安置して、同行した12名が、喪主から順番に、墓前に手を合わせた。最後に、
東出が、手を合わせる、終了すると、喪主の斉藤孝弘さんが、突然、最後まで、本当にありがとうございますと、挨拶するので、少し驚いたが、表情には出さず、ご立派なん葬儀でしたよと言い、労をねぎらった。すると不思議なもので感動と言うか、爽快感と言うか、晴れ晴れとした気持ちになり、家へ帰った。
東出芳子は、家に戻って、風呂に入って、食事を済ませて、田川さんと晩酌をしながら、今日の葬式の出来事を斉藤さんが亡くなった時からの話をすると、田川さんが、君もやっと小説家らしい感じになったねと言い笑った。これからものもっと、いろんな人生経験を積んで、良い小説を書けるようになれと激励した。人の死と言うものは、多くのことを学ばせてくれるものだと、田川さんが、かみしめるように言った。
東出は、人生の喜怒哀楽を小説に込めて、読者の心の琴線に触れるような作品を書こうと、考え始めた。2月もストーブを炊いて、ひたすら小説を書き続けた。3月になると寒さの峠を過ぎて昼間の強い日差しの時には、ずいぶん暖かくなったと感じられるようになった。そんな2011年3月11日、昼食をとって、小説を書き進めていた14時46分、
ガタガタと大きな音がすると、急に大きな揺れに見舞われた。
「ラジオからは、東北で大きな地震が起きたと放送が流れ、ラジオ局内でも慌てている様子がうかがえた。
「15時過ぎに、東北から房総の沿岸に大きな津波が、起きたと言う報道が入った」
「その後、家や人が濁流に流されている生々しい映像が映し出された」。
「続いて、仙台空港に濁流が押し寄せ、人々が屋上に上がっていく姿が、放映さえた」。
「その映像をぼーっと、ドラマでも見えているような感じで、無意識かの様に眺めていた」。
「その後、最大震度は宮城県栗原市で観測された震度7で、宮城・福島・茨城・栃木の4県36市町村と仙台市内の1区で震度6強を観測とラジオでアナウンサーが絶叫していた」。
その晩、状況が次第に明らかになってきた。それによると、この地震により、場所によっては波高10メートル 以上、最大遡上高40メートルにも上る巨大な津波が発生し、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害が発生。また、巨大津波以外にも、地震の揺れや液状化現象、地盤沈下、ダムの決壊などによって、北海道南岸から東北を経て東京湾を含む関東南部に至る広大な範囲で被害が発生し、各種インフラが寸断された。
政府は、震災による直接的な被害額を16兆円から25兆円と試算した。この額は、被害が大きかった岩手・宮城・福島の3県の県内総生産の合計に匹敵する。世界銀行の推計では、自然災害による経済損失額としては史上1位とした。死者数は1万5千人を超え、重軽傷者数は5000人を超え、行方不明所が2500任をこえるとみられ、まさに前代未聞の大災害となった。
地震から約1時間後に遡上高15メートルの津波に襲われた東京電力福島第一原子力発電所は、原子炉1から5号機で全交流電源を喪失。原子炉を冷却できなくなり、1号炉・1号炉・3号炉で炉心溶融が発生。大量の放射性物質の漏洩を伴う重大な原子力事故に発展。この事故は国際原子力事象評価尺度で最悪のレベル7、チェルノブイリ原子力発電所事故と同じとされた。
東京電力福島第一原子力発電所の立地する福島県浜通り地方を中心に、周辺一帯の福島県住民の避難は長期化するとともに、2012年からは「帰還困難区域」「居住制限区域」も設定された。そのほか、火力発電所などでも損害が出たため、東京電力の管轄する関東地方は深刻な電力不足に陥り、震災直後の一時期には日本国内では65年ぶりに計画停電が実施された。東北で製造している機械や多くの製品の製造がストップし再業界に大きな打撃を与えた。
関東・東北地方の広い範囲で液状化現象が発生し、千葉県千葉市美浜区・浦安市・香取市・我孫子市、東京都江東区・江戸川区、神奈川県横浜市の八景島周辺、茨城県ひたちなか市・潮来市、宮城県大崎市の江合川周辺などで、建築物の傾斜や断水、ガス供給停止、水田への土砂の堆積などの被害を受けた。東京湾岸の埋立地や千葉県北東部から茨城県鹿行地域南部にかけての利根川沿い「水郷地帯」での被害が目立った。




