15話:日本経済の低迷の政治家のパフォーマンス?!
さらに、金融危機とその後の景気後退に見舞われたことが原因で、米国経済の地位低下を象徴する出来事となった。クライスラーはイタリアの自動車大手フィアットと包括提携して、6月10日、新会社クライスラーグループが誕生。米製造業では資産規模で最大の倒産劇となったGMも7月10日、「シボレー」などの優良ブランドを引き継ぎ、政府が過半数株を握る「新生GM」として再出発を果たした。
そのころ日本でも、大きな政治の動きがあった。麻生太郎首相「当時」は2009年7月21日に衆院を解散。第45回衆院選が8月30日投開票され、官僚主導の政治打破を掲げた民主党は過半数「241議席」を大きく上回る308議席を得て圧勝した。「実績」と「責任」を前面に、公明党との連立継続を訴えた自民党は、公示前の300議席から119議席に激減する結党以来の歴史的大敗を喫した。
それにより戦後初めてとなる野党第1党が単独過半数を獲得しての政権交代が決まった。参院で過半数にない民主党は政権基盤の安定化のため、社民、国民新両党に政権協議を申し入れ、連立政権樹立で合意。民主党の鳩山由紀夫代表は9月16日の衆参両院本会議で、第93代、60人目の首相に選出され、3党連立の鳩山内閣が発足した。この時期、日本経済も米国同様、苦戦を強いられていた。
2008年秋に起きたリーマンショックを引き金とする世界規模の金融危機の直撃を受け、2008年10~12月期と09年1~3月期の実質GDP「国内総生産」は前期に比べ年率換算でそれぞれ10%、12%の大幅減。2けた減は戦後最大の落ち込みを記録した第1次石油危機後の1974年1、3月期「13%減」以来35年ぶり。2期連続の2けたマイナスは戦後最悪の状況と言える。
主な要因は輸出と生産の急減。これによって企業収益が悪化し、雇用不安や賃金の低下で個人消費も冷え込んだ。輸出の回復や政府の景気対策による政策効果で2009年4、6月期は年率2.7%増に持ち直し、その後もプラス成長が続いているが、内需主導の本格回復には程遠い状況だ。また、アメリカの大手自動車メーカーの倒産と同じような事が日本でも起きた。その大企業は、日本航空。
日本航空は、昨秋の金融危機後に業績が一段と悪化し経営危機に陥った。政権交代後、鳩山内閣は自主再建路線から政府主導による再建に方針転換。前原誠司国土交通相は就任直後の9月、直轄の専門家らを送り込み、抜本的な再建策を検討させた。しかし、日航の財務状況は想定以上に悪化しており、再建の主導権はその後、公的組織「企業再生支援機構」に移った。
企業再生支援機構は年明けにも支援の可否を決断する見通しだが、収益低迷が続く中、手厚い企業年金などの「レガシーコスト『負の遺産』」は重く、再建の道筋を確定するまで曲折が続きそう。政府は再建を後押しするため、融資保証などの支援方針を表明。公的支援に対する国民の理解を得るため、企業年金の強制減額も行う畑津守人報道されたのであった。
上記の上記の様な経済状態で、日本政府は11月20日に発表した月例経済報告で、日本経済に関し「物価の動向を総合してみると、緩やかなデフレ状況にある」と表明。物価が持続的に下落するデフレに陥っていることを宣言。デフレ認定は2006年6月以来3年5カ月ぶり。賃金の下落や失業率の上昇につながるデフレからの脱却は、鳩山政権の大きな課題となる。
政府が宣言に踏み切ったのは、生鮮食品などを除いた消費者物価が下がり続けるとともに、物価をそのまま反映した名目GDP(国内総生産)の伸び率が物価変動を除いた実質GDPを下回る傾向が続いているため。政府は景気てこ入れへ7.2兆円の財政出動を伴う経済対策の実施を決めたが、日銀に対しても量的緩和を含めた追加金融政策を求める動きが強まりそうだ。
上記の様な日本経済の低迷を見て、政権を奪取した民主党は、無駄を削り2010年度予算の概算要求を絞り込むため、政府の行政刷新会議「議長・鳩山由紀夫首相」は、国会議員と民間人が各省担当者から事業内容を聴取し、実施の是非や要求額が妥当かどうかを判定する「事業仕分け」を11月に実施した。時事通信社の集計によると、9日間の仕分け作業で約450事業が対象になった。
その結果「廃止」「予算計上見送り」、基金の国庫への返納などの形で、約1兆8000億円の無駄削減が可能とした。インターネットで中継するなど、作業は全面公開され、予算編成の透明性が高まったとの評価の一方、対象事業の選定や判定基準が不明確といった課題も指摘された。効率化の観点から「見直し」などと判定されたケースもあり、科学者やスポーツ選手らから不満も出ている。しかし、単なる民主党のパフォーマンスだけで、実効性は、疑問視された。
その中でも一番、注目されたのは、八ツ場ダムなど国直轄ダムの建設工事見直しの動議だった。前原誠司国土交通相が、大型公共事業の見直しを掲げる民主党の政権公約に従い、八ツ場ダム「群馬県長野原町」、川辺川ダム「熊本県相良村」の建設中止を就任早々に表明。さらに建設・計画中のほかのダム事業についても見直す方針を示し、「ダムに頼らない治水」へと大きくかじを切った。
国土交通相は八ツ場ダムも含めた個別ダム事業を再検証する有識者会議を国交省内に新設。同会議が来夏をめどにまとめる河川整備の新基準に基づき、各ダム事業・計画について中止か継続かを判断する予定だ。しかし、八ツ場ダムの地元自治体や事業費の一部を負担する関東1都5県の知事らが事業継続を強く求めるなど、国の政策転換に反発も強まっている。中止後の補償の在り方など地元との調整は難航するとみられている。




