13話:日本の風土を題材にした小説の執筆
東京から来る60人の入居予定者が、5月の連休後に入所することになり、それまでに、新しく20人の介護福祉士を募集しなければならなく困った。そこで、パートで働ける介護福祉士を募集も始めると、パートさんが20人集まり、専属の介護福祉士を10人が必要になり、募集をかけた。また、学生の研修が春休みと夏休みに来てくれるようになり、パートさんには、その間は休んでもらうようにした。
やがて4月15日となり以前、卒業後に来てくれるように依頼していた首都圏の大学の福祉科の卒業生20人が就職希望してくれた。これによって人員不足が解消された。5月の連休に田川さんが、日本旅行でたくさんのお土産を持って修善寺に帰ってきた。今年の9月末には、日本旅行を終えて、帰ってくると話した。その晩、田川さんが、久しぶりに仲間4人と酒を酌み交わして、日本旅行の感想を話してくれた。
その話によると、ただ単に旅行するのではなく、その土地の雰囲気、歴史、自然を確認しながらの旅行は、人生にプラスになると言い、東出さんは、旅館に帰ってくると、自分の感じた感想を細かくノートにまとめていた。また、各地の地酒もおいしいと言い、日本は、素晴らしい事を再確認したと話した。そして、東出さんが、もし日本旅行の小説を書いて、再びヒットしたら、印税の一部を「修善寺商事」と老人施設「富士の園」に寄付すると話していたと教えてくれた。
日本人の中に相互扶助の精神が、昔から、遺伝して、時代が変わっても、心の根底に持っていると、東出さんが言っていたのが印象的だったと述べた。特に日本海側に、その傾向が強いような気がするとも語った。そして、5月7日、再び、京都から旅を続けると話して、田川さんは帰っていった。その後、今年の夏休みも首都圏の福祉科のある大学の研修生が20人来てくれて、大助かりだった。
そして9月を迎えて、9月29日、田川さんと東出さんが、地元修善寺に帰ってきた。そして東出さんが取材メモを整理して、来年2008年中には、日本の風土に関係する小説を書き上げるつもりだと話していたと聞かされた。その後、特に大きな問題もなく、過ごしていると、2007年9月29日、田川さんと東出さんが、無事に買ってきましたと連絡が入った。
翌30日、三井夫妻が、田川さんと東出さんの歓迎会を開いて、旅を無事に終えることができたと東出さんが、日本全国一周の旅のエピソードや感想などを細かく話してくれた。そして、ここは、やはり富士山のふもとで景色が良く、海もきれい温泉も多い場所で素晴らしいことを再確認したと感想を述べた。三井賢治が、どこが一番、印象に残ったかと聞くと、東出さんも田川さんも、口をそろえて、北海道の自然だと語った。
アイヌの人たちの知られざる過去の話を聞き、極寒の地での冬の厳しさ、それを仲間たちの知恵と経験で生き抜くすべは、想像以上に壮絶だと話した。厳しい自然の中で生きる人は、自然への畏敬の念が深く、自然破壊をすることもなく、自然と共存しながらその自然の恵みで生きていたと熱く語った。内地の人間が、自分たちの都合で、北海道開拓の名目で、やってきて、勝手なふるまいをして、自然を壊していったという話をした。
その中でもニシンが、ずいぶん昔、乱獲を続けて、取れなくなったことを一番、悲しいことだと述べた。それによって海の神を怒らせたせいでニシンが激減して食べられなくなったと怒っていた。しかし、最近は、内地の人が観光に来てくれ、我々は、彼らの落としていく、お金のために裕福になり、食べるものも着るものにも事欠くことがなくなったと感謝しているとも話した。しかしニセコをはじめとして、外国人が多く住み着いてきたのには危機感を感じると打ち明けた。
また、日本各地の地酒の旨さも再確認できたのが収穫だっと東出さんも田川さんも認めた。最後に東出さんが、今度は、老人施設の取材を通して、人間の老化をテーマにした小説を書きたいと抱負を述べ、飲み会が終了して帰った。旅行から帰ってきた後、東出さんが、土日、老人施設「富士の園」で介護福祉士の補助の仕事を手伝わせてと言い出して手伝いに来るようになった。最初のうちは、洗濯や食事の盛り付け、配膳を手伝いから始めた。
平日は、朝から晩まで、小説書く事に没頭していて外に出ることはなかった。その後2008年を迎えた。この2008年4月、東出さんの2006年11月に発売した、世界旅行をテーマにした3巻の小説が有名な賞を取り多額の賞金5千万円を得て、その賞金をそのまま、老人施設「富士の園」に寄付すると話した。その贈呈式まで新聞に載り、それにより東出芳子は、さらに有名になり、多くの取材を受け、今、書いてる、日本旅行の小説と、次回、書く予定の高齢化をテーマとした小説の宣伝をしっかりとした。
話は、少し戻るが、2007年8月9日、米国の信用力の低い個人向け住宅融資であるサブプライムローン関連の証券化商品の市場混乱をきっかけに、フランスのパリに本拠を置く世界有数の金融グループの一つであるBNPパリバ傘下のミューチュアルファンドが投資家からの解約を凍結すると発表した。これにより、世界のマーケットが一時パニックに陥り、特に為替相場は短期間に大きく変動し、ドル/円は約10円、ユーロ/円は約15円、ポンド/円は約20円、それぞれ1週間で下落した。




