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狂炎に染まる街


 いつものように学校へと登校する時人。昨日のことが気にいらないらしく、今朝からチョコ


を食べている。時人はチョコが大好物で、冷静になる時にもよく食べている。六枚目の板チョ


コを食べ終えてやっと落ち着いた時人。そのまま部室へと直行する。部室にはいつものメンバ


ーが揃っている。


「大事な話がある。聞いてくれ」


時人は昨日のことを全て皆に話した。MARBLEが活動を始めたこと。狙われていること。


しかし、誰も驚くことはなかった。


「まぁ、分かってたことだしな」


聖児はさらに余裕が出ている様子だ。


「おもしろくなるな」


アキラも同様だった。


「あんなに派手にしてればバレるわよね」


水華は呆れた顔をしている。アネモネはなぜかヤル気である。


「これからどうする?」


「もちろん、続行だ」


時人の頭の中にもMARBLEの事など、どうでもよかった。ただ、退屈しのぎにはなる。そ


う考えているだけだった。


「これからの計画には、聖児とアキラ、アネモネが必要になる」


三人の表情が変わった。ついに本格的に動き出すときが来たようだ。


「もう遊びはいいのか?」


「あぁ、充分だろう」


「では、いいのだな」


「よろしく頼むぜ」


机の上にこの街の詳細な地図を広げる。そこにひとつずつマーカーを付けていく。


「聖児はここ。アキラはここ。アネモネはここだ」


「お前は?」


「それ以外を全てだ」


時人は自慢げにそう言った。部室のカーテンと窓を開ける。眼下に広がる風景。見慣れたこの


街。この全てを支配する。そう思うと、笑いさえこみ上げてきた。危険は承知だ。しかし、危


険あってこその退屈しのぎ。









 夜の街は真紅に染まっていた





 様々な悲鳴が交錯する





 逃げる人々、物珍しそうに見る人々





 サイレンが色々な方向から聞こえる





 ビルの屋上からそれを見る時人





 その顔は笑みで溢れていた






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