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異世界奇行 ~ダーメニンゲンの詩~  作者: DIVER_RYU
第二集『天肆争奪戦』
48/61

第二一篇『ブラックバアルの真実』上

この物語を読む際には、手から刀を置いてお願いします

 拮抗する二人の猛者、コモドとカタック。術を使うことすらなく、互いの武器を構えたまま停滞している。一分一秒がまるで一時間にでも思えるような緊張状態が辺りを包んでいる。


「ゴク……」


 その後ろで固唾を呑む少女こと、ラマエル。その背後には先程までコモドと闘っていたソラスとその妹サヴラが匿われている。ラマエル自身の術で貼られた繭状の結界の中で、様子を見守るラマエルにもまた緊張が走っている。彼女の目にはコモドとカタックのオーラが影となり、互いを喰い合う凄惨なヴィジョンが視えていた。


 永遠とも思える一瞬が過ぎて行く。勇ましく構えたまま、冷や汗が頬を伝ってゆくコモド。白塗りの濃い化粧の奥で、笑わない目が強く睨みつけているカタック。構えたままコモドはその脳裏にシミュレートを開始する。だがその刃先を見る度に、自らの攻撃をすり抜け、叩き、自らの身に刃が納められるという結末が映される。しかしこの状況を打破するモノが今、彼らに近付いていた。


「……んッ!! 何ヤツ!?」


 次の瞬間である。ギンッという音と共に、カタックは投擲された何かを右の刀で叩き落とす。そこに落ちていたのは何と、左に握るのと全く同じ短刀であった。


「全く同じ剣だと。量産品……には見えんな。どういうことだ?」


 構えを軽く解き、コモドは短刀の飛んで来た扉の方を見る。そこに現れたのは。


「何でお前がそこにいるんだ、ってお顔をしているわね」


 何と目の前で対峙しているはずの、カタックであった。


「な、な、何じゃとッ!? 一体どうなっておるのじゃ!!」

「カタック先生が二人……じゃあさっきおれを刺そうとしたのは……!?」


 一方で険しい表情のままのコモド。人差し指を立てて、新しく現れた方のカタックに尋ねるのであった。


「先生、手袋外せますか」

「ええ、良いわよ」


 そう言って何と、新カタックは両の手袋を外して見せた。どちらにも、ドクロを背負ったハエは刻まれていない。


「アテクシ、ブラックバアルには入っておりませんの。それより……アテクシのそっくりさん、アンタ何者かしら?」


 刃先を突き付け、カタックが尋ねる。


「……いや、さっきの言い方は不適切かもしれないわね。だって、何となくだけど分かっているんですもの」

「何ッ!?」

「流石だなカタック……正解だ、貴様の思った通りで合っておるぞ」


 構えていた刀をその場にバンと捨て、手の甲にドクロを背負ったハエの刻まれた偽のカタックは衣服を手で掴み、一瞬にして脱ぎ捨てて見せた。そこにいたのは何と。


「ゼーブル!! てめぇだったのか!!」

「何、コヤツがッ!?」


 仮面こそ着けていなかったが、そこにいたのは確かにゼーブル――ブラックバアルの首領であった。


「フン……まさか、本人に登場されるとはな。それと……お初に御目にかかるね、お姫様?」


 だがそれ以上に驚く姿が、コモドの背後にいた。


「なな、何故じゃ!? わらわとしたことが全く見抜けなかった……いや、それどころか!! この男ら、見た目が違うのに中身がまるで変わらぬぞ……!!」

「え、どういうことだよ?」

「ワケなら後で話すわ。今は……」

「止むを得ん、貴様らには消えて頂こう」


 手の甲にある紋章を光らせると、たちまち顔にはハエの顔を模した仮面が現れるのであった。


「宝眼術、破眼念爆!」


 激しい光が仮面についた宝石から放たれる。次々に巻き起こされる爆発が室内に響く。咄嗟の判断でその場から飛び退いたコモドであったが、その爆風に紛れてゼーブルと切り結ぶ姿が彼の目に映った。


「え、カタック先生!?」


 なんとカタックは爆発の中を突き抜けると、直接ゼーブルに斬り掛かっていたのである。ゼーブルは体捌き一つで刃をすり抜けると、落ちていた短刀を拾い上げてガチャリとカタックの刃に引っ掛けた。


「貴様を生かしておいたのが間違いであったな……!!」

「あら、アテクシのことなんて、とうの昔に消したつもりになっていたのではなくって?」

「うるさい……!! 死人は死人らしく、墓の下にで眠っておれば良かろうモノをッ!!」


 鉤を差し込んだ短刀を強く捻りながら、ゼーブルが唸る。心なしかその声は、いつもより感情的な響きを含んでいた。


「ふぅん、言いたいのはそれだけかしら? それよりもさっきからギリギリと削ってるそれ、アテクシのモノなんですけど?」

「黙れ兄者……!!」

「あにじゃ!?」


 傍で聞いていたコモドは驚愕した。


「宝眼術……破眼念爆ッ!!」

「先生危ないッ!!」


 だが不可解な事が起きた。ゼーブルが術を放ったその直後、複眼から凄まじい光が放たれる。しかしその時カタックがとった行動、それはその場から一歩も動かず、強く睨み付けただけだった。直後、カタックの両目が鋭く赤い光を放つと、二人の周りから爆発が上がり、何と炎まで上がり出す程であった。


「先生!? 先生ッ!!」

「悪いわね……アテクシにそいつは効かないわよ」

「ならばッ!!」


 するとゼーブルは右手で持っていた短刀を左に持ち替えると、同時に右の手袋を外して毒手をさらけ出し、猛禽類の如き爪を湛えたその指をガバァと広げて素早く突っ込もうとする。


「おっと!」


 カタックは刀を鉤から引き抜きその場から飛び退くと、燃え盛る炎の中、グイと睨みを利かせながら低い声で尋ねるのであった。


「ソイツの恐ろしさなら分かってるのよ。最もその匂い、“また”配合を変えたようね?」


 刀の峰に手を添えて、刃を下に向けたまま身体を隠すように構え、カタックが尋ねる。


「そうだ。吾輩の毒は常に進化を続けるのだ!」

「最早ソイツはビーネハイムの秘伝からは逸脱している……何がアンタを駆り立てるのよ!」


 打ち合う刃と刃。加勢に入ろうにも、術によって引き起こされた炎が絨毯を始めとしたあちこちに広がり、コモドの行く手を阻む。


「ぬあ、熱い!? コモドまずいぞ、エルアイギスは熱には弱いのじゃ!」

「何!? くそぉ、この炎はただの炎じゃねぇ、放っておけば館の石材がマグマにされちまうぜ!!」


 マントを脱ぎ、炎に被せて消そうとするコモド。彼の言う通り、この炎は通常のモノとは異なる。術によって引き起こされた炎には特徴として、術者本人の生命力が燃やされているという特徴がある。即ち、術者の生命と集中力がある限りはその燃料は注がれ続けられ、燃え続けることとなるのだ。つまり今ゼーブルとカタックを包む炎は、ガソリンが注がれ続けている炎と何ら変わりはないのである。


「決まっておるだろう。吾輩は強くあらねばならぬのだ」

「それは……暗黒組織の頭に居座り続けるためかしら?」

「ブラックバアルの首領でなくとも、いかなる闘術士とも同じことだッ!!」

「申し訳ないけど、他人の得物を突き付けながら吼える台詞じゃないわよ。……返してもらうわ」


 カタックは指二本を立て、目の前にかざして構えた。すると彼の赤紫の目が光を放ち始める。


「宝眼術……」


 刀を正面に立てた後、切っ先をゼーブルに向け、叫ぶ。


魔眼閃光まがんせんこう!!」


 目から放たれた光線が刀によって指向性を持ち、ゼーブル目掛けて赤い閃光となって飛ぶ。


「眼力返し!!」


 すぐさま複眼を光らせ対応するゼーブル、相手の放った術をかき消し、更には周囲の炎をも一瞬で吹き消した。しかしその一瞬のうちにカタックの刀の峰がゼーブルの左腕を強く打ち付け、持っていた短刀が床に落ちるのであった。


「うぐぐ……貴様ァ……」

「安心なさい峰打ちよ。と言いたいけど、アンタの左腕は砕けてるわね。普通に斬るよりも効くことがあるのよ」


 手袋を抜き払った右手で痛む部分を抑えることも出来ず、うなり声を出し続けるゼーブル。


「止むを得ん、兄者の命は次こそ必ず貰い受ける。死神コモド貴様もだ! 覚悟しておれ!! 破眼念爆ッ!!」

「おい待て!! イリーヴは、イリーヴは何処にいるんだッ!!」


 術を使って窓ガラスを突き破り、駆け寄り飛び込むとそのまま黒曜石で出来たブラックネメアの巨大な手に乗り、ゼーブルは去って行った。


「くっそォォォ……!!」

「コモドちゃん、無事かしら? それとソラスちゃんとサヴラちゃんも」

「ええ、なんとか……」

「のうカタックとやら。一体どうなっておるのじゃ? わらわとしたことが全く見破ることが出来なんだ、そなたらは一体……」


 少し目をつぶると、カタックは口を開くのであった。


「……ゼーブル、いやペオルとアテクシは、一卵性の双子なのです。つまり肉体としては全く同じ人間が、この世に二人存在することになるわね」

「えぇぇッ!? ちょいと待て、め、目は!? 全然違うよなァ!?」

「嗚呼、お見せするわね……」


 そう言ってうつむくと左目に手をあてる。次に顔を上げた時、それを見たコモドとラマエルは驚愕した。彼の手には赤紫の虹彩が置かれていたのだ。


「アテクシの本当の両目は、彼やラァワ様と同じ、イレザリア人に多い金色なのよ」

「なんてこったい……!!」

「ある意味はお仲間だったわね、コモドちゃん」


 自分の眼帯を触るコモドの前で、目を付け直したカタック。


「この“眼”にはペオルの仮面と同じく、術の触媒が仕込まれているの。幸運にも資質のあったアテクシは、その魔力によって視力を確保しているというワケ」

「それでは、ずっとブラックバアルとは……?」

「対立していたわ。魔女集会よりも前からね。ごめんなさい、あの時酒場で会った時点では、アテクシも情報を掴めていなかったのよ。アテクシはただ……ペオルが、もう一人の自分が悪事を続けているのを、止めたかった……!!」


 拳を強く握り締めながら、カタックは呟く。


「それより今は! 病院に連れて行くわよ。それと……」


 カタックはボレロのポケットから、布に包まれた木札を二つ取り出した。


「ソラスちゃんも聞いてちょうだい。ブラックバアルは今、このインクシュタットそのものを目標にしているわ。つまりここに居続ければ命がいくつあっても足りないわよ。アンタの腕に刻まれたドクロを背負ったハエ、それを消さない限りはマークされ続けるでしょうね」

「この紋章、よりにもよってそんな効果が……!!」

「だからまずソラスちゃんはその大ケガを治しつつ、その紋章を腕から消すことね」


 コモド以上にカタックは、暗黒組織の情報を入手しているようだった。


「サヴラちゃんは、あそこの先生に請け合って聞いてみようと思うの。同じ連邦内なら科学立国キャンバスコットに、良いお医者様がいたはずだわ。そして見つかったなら、二人ともそこに飛んでちょうだい。そうすれば簡単には粛清されることはないわよ」

「そうとなれば……おいソラス、いつまで伸びておるのじゃ。そろそろ立てるはずじゃぞ」

「え……?」


 するとソラスは違和感に気が付いた。鉄櫛で刺されて疼いていたはずの手から、痛みが消えている。


「治った……!? 何で、早すぎる……」

「ほう、若いって羨ましいな。もう治ったのか」

「いや、わらわの繭の効果じゃ。多少なら治癒力が上げられるもんでな」

「嗚呼ッ、ありがとう御座います!!」


 深々と頭を下げるソラス。


「良かったな。しかし便利な繭だなァ……」

「ええホント……天肆の術は初めて見るけど、ペオルが欲しがるのも分かる気がするわ」

「だとすれば、サヴラも……!!」

「いや、長くはおれん。確かに多少は良くなるかもじゃが、今度はわらわが持たんのじゃ。すまぬの」




 館からぞろぞろと外に出る五人。幸いにもソラスはエルアイギスの効果で、車椅子に乗ったサヴラを手で押しながら外に出歩けるだけの回復を果たしていた。


「のうカタックよ、さっきアヤツはそなたを『死人』呼ばわりしておったがどういうことなのじゃ?」


 ラマエルが質問する。


「アテクシは……本来であればグリューネフェルト家の跡継ぎだったの。それを、ペオルは面白くなかったのでしょう」

「じゃあその眼は……!!」

「彼の毒手で、ね」


 コモドは戦慄した。目的の為なら実の兄弟、それももう一人の自分とも言える双子の兄の目を毒で潰すというゼーブルの精神性は、いかに死神と恐れられる男であっても理解し難いモノであった。


「しかしアイツは……今、グリューネフェルト家は一体どうなっているんだ。肝心なゼーブルが、いやペオルがあんな感じでは!!」

「グリューネフェルト家は……いや、それどころかイレザリアの貴族の大多数に、力なんてもうないと言っても良いわね……」


 その時コモドには、以前に酒場で話していたゼーブルの言葉が脳裏に浮かぶのであった。


「その辺はアイツの言っていた通りだったのか……貴族でも今はただの小金持ちと変わらねぇとか、チマチマ商売しなきゃいけねぇってのは何処も同じだとか」

「まさにその通りよ。更に言うなら、もう爵位が意味を成していないのよ。飾りでしかないわ、伯爵家の箔が通じるのはむしろイレザリアの外になるわね、案外貴族の実情を御存知ない方も多いように見えるし。コモドちゃんならラァワ様から聞いてそうだと、思っていたけど……?」

「いや、母さんが知ってるのはうんと昔の話さ。邪竜によってあちこちズタズタにされる前の、もっと爵位に意味と箔のあった時代だよ。俺がイレザリアで生まれたのもギリギリその辺の時代だからな……」

「なればおかしいところがあるぞ。そうであればなにゆえに、ゼーブルはそなたの家の跡継ぎになろうとしたのじゃ?」


 ラマエルの言うことも最もであった。意味のない爵位に縋ったところで、ゼーブルの栄光には程遠いはずである。


「……彼の目的は、自分が今まで貴族として生きて来たやり方を、もう一度復活させること。即ち自分の支配する領地が欲しいのよ。しかしペオルは、実は自分に統治するだけの“才”がないのを、分かっているのよね……」

「それで先生の目が犠牲になったのか、無理矢理奪うためだけに……!! 俺の右目を奪った邪竜の方が、よっぽどマシじゃねぇかッ!!」


 コモドの左目は怒りにヒクついていた。


「よく助かったのう。ヤツが手袋を抜き払った時、あの右手からは凄まじいまでの死の匂いが上がったのじゃ。アレを受けたらまずひとたまりもないと思うのじゃが……」

「いや、彼の毒はかなりの強化を遂げているわ。今の毒手で目をやられたら……もう想像したくないわね」

「事実ウラルさんの右腕は骨にされちまったからな……目だけではすまねぇぞ……」


 事実ゼーブルの右手は今や、自らの血と反応させることで毒ガスすら放てる程まで来ている。その毒性の強さを、ラマエルは『死の匂い』として嗅ぎ取ったのであった。


「話は戻るけど、貴族そのモノが力を失うというのが、彼最大の誤算だったと言って良いわね……だからこそ新天地を求めて、インクシュタットに来たというワケね。そして魔女集会を破壊したのは、今の彼の目には魔女の存在が“支配層”として映っているためよ」

「自分がとって代わりたい、ということなのか? 統治出来ねぇって分かってるクセに?」

「そう、彼が欲しているのは爵位というモノに囚われることのない“支配者”の座よ。そのためには統治そのモノは現政権にやらせつつ、実質的に自分の顔を伺いながらやらざるを得なくさせること。コレがブラックバアルという組織の、本当の目的よ」

「しかし先生、同じ連邦でもキャンバスコットやイーゼルラントを選ばなかったのは理由あんですかね? まぁ選んだなら選んだで問題だけどさ……」

「インクシュタットは周囲との貿易の要。特にイレザリアで採掘されたアフリマニウムは真っ先にこちらに来るんじゃないかしら。ほら、そこのスミナ河経由で」

 

 河沿いを歩きながら、カタックは説明を続けた。


「交通の要を抑え込めたなら、そのままインクシュタットとイーゼルラントにまで力が波及するわね。そのままあっという間に連邦が、ブラックバアルの手に落ちることとなるわ」

「んな壮大な……そこまでして、支配者になって、高貴なる責務は果たせるんかアイツに」

「高貴なる責務は……」


 一瞬だけ言葉に詰まったカタック。だが意を決して口を開き、首を横に振りながら言い切るのであった。


「果たすつもりはない、と思うわよ」


 それを聞いたラマエルが、ぼそりと呟くのであった。


「そんなの、力を持っただけの、無責任な子供ではないか……」

「全くだ」




 インクシュタット某所。腕を抑えながら駆け込むゼーブルを、ビアルは迎えた。


「ゼーブル様!? その腕は!?」

「やられた……兄者め……」

「兄者……カタック様が!?」

「ヤツに“様”など付けるでないッ!! ……救急箱を頼む」


 どかっとイスに座り、息を荒げながら宙を見るゼーブル。ビアルが医療器具を持って来るその間、彼の口はいつの間にかその心境を語り始めるのであった。


「兄者……貴様を取り除いてまで手に入れたグリューネフェルトの力を、このまま腐らせてはならぬのだ……! イレザリアに貴族の居場所がないのなら、高貴なる者が高貴たる振る舞いを為せないのなら……新たな領土を手に入れるだけのことなのだ……!! なのに兄者は……コモドもそうだ……ラァワまで……何故イレザリアで生まれた貴様らが、吾輩の道を阻むのだ……!! 何故だ……何故……!!」


 仮面を外し、油汗を垂らし、苦痛に満ちた顔で彼は叫ぶ。


「ゼーブル様落ち着いてください!!」

「ビアル、すまぬ……」


 片肌を脱ぎ、添木をあて、包帯を巻き付け、氷を当てる。痛みの落ち着いたゼーブルはまるで魂が抜けたかのように眠り伏してしまった。それを見て、ビアルはそっとその場を外すと扉の向こうにある三つの立った棺を見つめるのであった。


「時は来た……我が分身ビズトロンとヴィネガロンは破壊され、ゼーブル様は負傷した。今こそ、お前達の立ち上がる時だ……目覚めよ、我が直属、ブラックバアル改造闘士部隊!!」


 棺が開き、三つの人影が姿を現す。いずれもビアルと似たような服装の上に似たような装甲を身に付け、生気の抜けた真っ白な肌が暗がりの中でも目立っている。


「聞け、必ずや邪魔者を排除し、そしてラマエルの脳髄を確保するのだ。ブラックバアルの誇りと未来は、お前達にかかっている。良いな?」


地味に、ゼーブルの負傷する様子が初めて書かれた気がする

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