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プロローグ

『avil・anel』~渡里会奈のVRMMOプレイ日記~

の続編にあたる物語です。

前作の思わぬ人気にすがっているだけと思われないよう、頑張っていきたいと思います。

よろしくお願いします。

「ん……ふぁぁ……」


眠い。


冒頭からこんな見苦しい姿を見せて申し訳ないけれど、眠いから許してほしい。


やっぱり、放課後の誰も居ない教室って眠くなる。同時にとても落ち着くのは私だけではないだろう。

あくびの息遣いさえ廊下に響いてしまいそうな静かさは、常に音の飛び交う昼間と同じ空間とは思えない。


「ん……そろそろか」


適当にうたた寝していると、いつの間にか教室の時計は6時を回っている。もう教室には誰も居ない。


帰りのHRから一切変わってない机の上の筆記用具やらを適当にカバンに放り込んで、帰りの支度を済ませる。

帰る途中、何人かの生徒に好奇の目で見られたが、まぁいつものことなので気にしない。


思うのだけど、なんでぼっちって話しかけられないのに妙に目立つのだろうか。是非とも学校の七不思議候補に挙げたいところだ。

……まぁ、中でも私は特例だというのは認めるが。


「ただいま」


と、言っても、親が共働きなので夜まで誰も居ない。

だけど、そのおかげで今日届くはずのアレが心置きなくプレイできるというもの。


一応、お母さんの友達に配達を頼んだから、もう二階に運んでくれているとは思うけど……


「……これか」


…………グロ猫宅急便のマークは起訴していいレベルだと思う。


私が楽しみにしていたのは、専用のゲーム器でのみプレイできる意識完全没入型のゲーム。いわゆるVRMMOというもの。

名前を『avil・anel 2』といい、数年前に発売された『avil・anel』の最新作だ。前作の『無限に広がる世界』に続き、『仲間と紡ぐ物語』というのをキャッチコピーとしている。


残念ながら、前作はとある事情で発売当初にプレイできなかったが、その分これを存分に楽しもう。


そして……


「……ふぅ」


1つ息を整え、私は、ゲーム器のスイッチを押した。












気がつけば、私は見知らぬ場所にいた。

真っ暗だ。どこを見渡しても一切光のない不可思議な場所に、私はぽつりと立っている。

いや、これは立っているのか? 四方八方が真っ暗な上、エレベーターで下降しているような妙な浮遊感も相まってよくわからない。



「前作にもこんなところがあったような。確か‥‥‥」

「ようこそ、『avil・anel 2』の世界へ。私は案内役のメイリーです。よろしくお願いします」

「……どうも」


現れたのは、いかにもゲームらしい現実味を帯びない3Dホログラムの少女だった。ニコニコと楽しそうな笑みを浮かべている。


‥‥‥機械だから当然なのだけど、私の顔を見て驚かない人は初めてだから少し新鮮だな。


「ここはキャラクターメイクの部屋です。ではまず、外見、名前はどうしますか?」

「よくわからないからそのままで。それと……名前はユナ」


『ユナ』は本名ではない。ゲームをするとき主人公につけるのはいつもこの名前だ。


「かしこまりました。職業は選択で? それともランダムにいたしましょうか?」


これは事前に調べた。


前作とは違い、選択するのは種族ではない。代わりに職業になった。それ以外はほぼ同じで、ランダムではレア職業が出る可能性がある。


今作はランダムで出るレア職業の確率がちょっと上がったらしいが、私は既に選びたい職業が決まっているから関係ない。


目の前に現れたおびただしい数の項目の中で、一項を探し出して選択した。


「では、設定は以上になります。ユナ様、『avil・anel 2』を存分に楽しんでください」


そう言って、少女が小さく手を振ると、私の視界は暗く閉ざされていった。










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