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(猫ムスメのこと)


猫なんて、べつに好きなんかじゃなかった。

じっさい、道端出会っても、にらみ合ったり

威嚇されたり、無視されたり、逃げられたり

べつに猫に触れて(気持ちの話)、

なにかいいことが起こったことなんて

かつていちどもなかった気がする。


特に、あのふてぶてしい黒いのとかみた日には、

いやぁな気になることも、しばしばあったよ。


子供の頃から、大人になっても、

それは変わらない。




ただ、猫ムスメにあってしまって、

こころ、その子に奪われちまって、

そっからこっち、

そこいらで出会うドラとか飼いとか

どんな猫さんも、

あの猫ムスメの眷属なんだと思うと

かつての冷たい態度を謝りたいくらい、

愛おしくなってしまっているということ。

嘘みたいで、信じられないよ、

自分のこころながら、

どうしちまったって、いうんだ?

これじゃあ、まるで、洗脳じゃない?

いい加減に、しなきゃ、ね?

それもこれも、

みんな、猫ムスメが悪いんだ。

悪いんだからね?

責任とってよね?

羽川ミカサ、おまえのことだよ?


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