1/1
東へ
雪の降りそうな、灰色の空の日でした。
私は生まれて初めて、学校に登校しました。
三、四時限の授業を初めて会うクラスメイトに混じって受けました。
給食の準備の中で、お母さんと先生に連れられ、抜け出すように教室を出ました。
最初で最期の学生生活が終わりました。
最後に、みんなと同じ生徒玄関から下校したい。と、お母さんに言いました。
お母さんは来賓玄関から靴を持ってきてくれました。
お母さんは自分の靴のある来賓玄関に戻る。
私は私の今日まで一度も使われていなかった靴箱を開ける。
何も入っていない筈の下駄箱
そこに、一通の手紙が入っていました。
その冬、初めて雪の降った日のことです。
この日、この下駄箱から、世界は崩れ始めます。