第0話 女神の訪問
なんだか、自分の作り出した世界をまた冒険してみたくなったので、書いてみました。
毎日投稿を目指してるので、良かったら生暖かい目で読んでください。
「つまらない」「おもしろい」だけでもいいので、感想募集中です(^▽^)
どうも皆さま、いかがお過ごしでしょうか。私は今、元気がありません。
何故だと思います? はい、分かってます。分かってますよ。始まり方がテンプレ過ぎだって言いたいんでしょう?
こんな始まり方、きっと一度は見かけた事があるとは思います。
という事で、堅苦しい言葉使いもやめてさっさと本題に入ろう。本題と言っても単純で難しいことのなさ過ぎる話になってしまうけどな。
単刀直入に言ってしまうと、自宅にいきなり見知らぬ女性が来たんですよ。かなり美人さんでした。そして開口一番に、『社畜から解放される代わりに願いを聞き入れろ』と、言われました。。それも命令口調で威圧するようにですよ。
ここからが問題点で、その人の服装が明らかに現代人のそれとは違う。どこか、神話の世界から出て来たような見た目だ。
では、この女性の仮名を『女神』としよう。
美しさと見た目に賭けて、女神、いいんじゃないかな。
それでですね。今、そんな女神(仮称)が目の前にいるわけですが……
「直未啓さん、貴方の答えを聞かせてください。さぁ、早く!」
と、さっきからこればっかりなんだよね。結構な形相で言ってくるものだから、相当深刻な問題を抱えているのだとは思うけれど……やっぱり怖い。
あ、直未 啓は俺の名前だ。
「いや、だから言っているでしょう? あなたは誰で、どこから、何のために来たのか教えてくれって」
「それが言えないとも言っています! 貴方はただ、YESかNOと言えばいいんですよ!!」
理不尽だ、あまりにも理不尽過ぎる。
けど、こんなものには会社で慣れっこだからな。あまり心は病まない。
しかし、この女神、どうしてくれようか。このまま追い返したい所ではありますが、そうもいかなそうなんだよなぁ。
頭を抱えながら女神を見ると、頬を膨らませていかにも怒ってますよオーラを出していた。まぁ、可愛いとしか思わなかったけど。
「はぁ……では、私が貴方に社畜をやめていただきたい理由だけ、説明させてもらいます」
おや、どう説得しようかと思っていたら自分から話してくれると言ったぞ。ラッキーだ。無駄な労力を使わずに済んだ。
なんて思いながら、女神の話に耳を傾ける。
「貴方には社畜をやめ、ある人を探して来てほしいのです」
「……それだけ?」
「それだけです。簡単でしょう?」
「でも、無職になるのはちょっと……。そういうのは警察に頼んでくださいよ」
「警察では不可能です。これは、貴方にしか成しえません。絶対に」
人探しくらい誰にでもできそうなものだと思うが、彼女の目を見るとどうしてもそうは思えなくなる。
だからと言って、俺がそれに応じるかは別の話。流石に今の職を手放してまで人助けする程、俺はお人よしではない。
「だとしても、俺は貴方のことを何も知らない。そんな人を助ける義理はありませんね。お引き取りください」
「帰りませんよ。貴方が頷くまでは絶対に帰りません!」
「なのねぇ。俺は君を知らないって言ってるだろ! 何かしてほしいなら自分が、何者なのか、ハッキリとさせるくらいは、したらどうだい!」
ついカッとなってしまいキツイ言い方になってしまった。
長時間、『頷け』と言われ続けて、少しストレスが溜まっていたようだ。
俺はやってしまったという思いと共に、これで帰ってくれるだろうとも思った。
しかし、女神が帰るどころかより一層帰らぬ意思が固くなっただけのようだった。悲しいなぁ。
「分かりました。だったらお教えしましょう。ですが、何もかも話せば、私の望むことをやってくださるのでしょうね!?」
「なっ……あー、分かったよ。やればいいんだろ、やれば」
もう面倒くさい。こうなったらやるしかないだろう。願わくば、その頼み事に時給が発生することくらいか。
俺は半ば諦めたような口調で女神の話をため息交じりで聞いた。
対して女神は俺の答えに満足したのか、笑顔で自己紹介を始めやがった。ムカつくぜ。
「私の名は……フローリアです。そして、探してほしい人とは、橘悠斗という男性。私が初めて愛した人です」