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女騎士たちと自己紹介し合ったり、ミッションの報酬を手に入れたりします

短いです


 敬鬼の手を握りながら鞭槍の女騎士、リールナが言った言葉に敬鬼が驚きの声を漏らす。


「えっ、何で?」

「ふふふっ、そうだねぇ・・・・・・」

「っ!」


 艶然と笑うリールナ。それに握られている手から、体中を探られる様な感覚を感じて敬鬼は手を引っ込める。


「おやまぁ、これを感じるってことはかなり感覚が鋭いのか、それとも感知系スキルか鑑定系スキルを持っているみたいだね」


 リールナが驚いたように呟くと、敬鬼に向かって続けた。


「いやねぇ、協力者に対して黙って鑑定系スキルを使うのは失礼だってのは分かってるんだけどねぇ。

 あたしも治安を司る騎士なんかやってるんで、国の近くにいる身元が不確かな相手は調べないといけないのさ。悪いんだけど理解して貰えないかねぇ?」


 おそらく自分と同じくらいの年齢であろうに、やけに色気を感じるリールナの態度に、女性に免疫のない敬鬼は赤くなって頷く。


「は、はあ・・・・・・」

「ふふふっ、お兄サン赤くなっちゃって、可愛いねぇ」


 2メートル近い巨漢の敬鬼に、色っぽいとはいえ同年代で、頭一つ分以上に身長に差があるリールナが子供扱いで微笑みかける。


「そうそう、お兄サンが来訪者だと分かった理由だったね。

 簡単な事さね。お兄さんの恰好、その恰好この辺にいるには無防備すぎるのさ。

 この辺は辺境でね、流石に街道まであんな群が出てくることは滅多に無いが、一歩森に入ればわんさと魔物が出てくるような場所なんだよ」

「な、なるほど」

「それに、始めのうち、自分の能力を把握していないようだったからねぇ。

 その歳でそんなことって、普通は無いからねぇ。

 だとするなら、ごく最近この近くに現れた来訪者だろうと思って言ってみたのさ」

「えっ、じゃあカマを・・・・・・」

「まあ、ほぼ確信していたんだけどね」


 悪びれる様子もなくリールナが言う。


 そうやって二人が話していると、他の三人も集まってくる。


「隊長、大物はともかく、餓狼(ハングリーウルフ)禿げ猿(ヘアレスモンキー)は一匹残らず始末終わりました」

「ご苦労さん。悪かったねぇ、殆ど任せちまって」

「ハハハ、気にすんなって。その兄さんの診断なんかもしていたんだろう?」


 法衣の女騎士が報告すると、リールナが三人に対して詫びる。それに対して鎧姿の大柄な女騎士が応えた。ちなみに、鎧姿の女騎士は敬鬼よりさらに頭一つ分以上に背が高い。


「ふふふっ、それじゃあ紹介しておこうかね」


 リールナが敬鬼の方に向き直ると、三人を紹介してきた。


「こっちの真面目そうなのはアン。ウチの副隊長で、剣士兼癒し手(ヒーラー)だ」

癒し手(ヒーラー)兼剣士のアンです。ご協力頂き有り難うございました」


 法衣の女騎士が頭を下げる。


「こっちのでかいのが、盾役のイリーナ。白巨人だよ」

「急に協力頼んで悪かったな。

 そういえば、威圧発声に巻き込んじまったけど、大丈夫だったかい?」

「あ~、あの声のなら平気だったです」

「そりゃあ良かった」


 鎧姿の女騎士が、片手を上げて軽く謝った。


「で、この無口なのがリリン。エルフなんだけど突撃が好きな変わり者だよ」

「どうも」


 盾持ちの中性的な騎士が敬鬼に挨拶をしてくるが、かなり小声な上に目も合わせてこない。


「済まないねぇ、ちょっと人見知りが激しい娘なんだよ」

「はあ・・・・・・」

「あと一人いるんだけど、たぶんもう少ししたら帰ってくると思うから、その時に紹介するよ」

「あ、はい」


 そこまで言うと、リールナは部下たちの方に向き直る。


「でだね。こちらは来訪者の・・・・・・。

 済まないねぇ。名前も聞いてなかったよ」


 リールナは敬鬼の方に顔を向け、照れたように言ってきた。


「あっ、こちらこそ名乗りもせずに失礼しました。

 来訪者の九尾狗繰くびくくり 敬鬼と言います。敬鬼が名前で、九尾狗繰がファミリーネームです。

 多分、この世界に来て半日くらいだと思います」

「なんか縁起の悪い家名だな」

「いやでも、美味しそうな名前ですよ」

「ははは、よく言われますよ」


 イリーナの感想に、アンがフォローになっていないフォローをし、それらに敬鬼が笑って応える。


 と、その時、森から小柄な少女が出てきた。


「うにゃ。みんな、ライチがいない所で、楽しそうにしてるにゃ」


 少女が拗ねた様に言ってくる。


「待ってたよ、ライチ。

 ・・・・・・怪我はないみたいだね」

「大丈夫にゃ。

 ちゃんとボスは二匹とも狩って来たにゃ」


 少女がリールナにそういうと、下ろした背嚢の中から、やけに頭の大きい茶色の狼と、緑系のまだらの猿の死骸を取り出す。


 その瞬間。


 ポンッ!


 という音とともに、敬鬼の目の前にいかにもといった感じの金色の宝箱が現れた。


「ん?何だろう、これ」

「おや、星神様の試練の報酬だねぇ。久しぶりに見たよ」

「そういえば、星神様の試練ミッションを受けたって言っていたな」

「あれ?

 皆さんはこういうのって無いんですか?」

「上級の職業を得るとな、報酬を星神ポイント(星P)に統一できるんだ」

「ですので私たちは、欲しい報酬が無ければポイントをいただいているんです」

「ちなみに、ポイントは神殿でアイテムと交換できるからね」


 そうしてミッションの報酬について話していると、無視された形になった少女が割り込んでくる。


「にゃ~にゃ~、置いてけぼりなのはいいとして、このおに~さんは誰かにゃ?

 こんな所に来訪者がいるなんて情報は、ライチも聞いてないにゃ」


 リールナはそう言われて、苦笑を浮かべた。


「おや、すまないねぇ。

 彼はケーキ・クビククリ。ついさっきこの世界に来たばかりらしいよ」

「あ~、どうも。敬鬼 九尾狗繰です。

 やっぱり、ファミリーネームは後の方がいいんですかね?」

「そうだねぇ。アスカ皇国以外では、ファミリーネームが先っていうのは珍しいねぇ」

「なるほどにゃ~。ライチの事前調査でもわからなかったはずにゃ。

 ライチはライチにゃ。狩人兼魔砲士をやっている猫マスターにゃ」

「ライチはウチの参謀兼情報収集担当でもあるのさ。

 こう見えて、かなりの切れ者さね」

「照れるにゃ~」


 リールナの言葉に、ライチが演技がかった仕草で照れる。


「ところで、報酬の確認はしないのかい?」

「あ、いいんですか?それじゃあ」


 リールナに促されて、敬鬼が報酬の宝箱を開けてみると、中には柄の部分まで銀色の金属でできた大振りなナイフと、薄らとオレンジに光る透明な珠が入っていた。


「こ、こりゃあ凄いね。解体ナイフはともかく技珠まで入っているじゃないか」

「えぇと、どういうものなんですか?」

「解体ナイフは、死体に刺して魔力を流してやれば部位毎に解体してくれる魔道具。技珠は、使うとスキルを一つ得られるマナ結晶だよ」

「解体ナイフの方は、品質によって性能が違うけど、良い物であれば解体したものを品質保存する効果があるものもあるにゃ」

「ダンジョンで手に入る技珠だと、悪い効果のスキルが身についてしまう場合もあるけど、試練の報酬でそんな事になったって話は聞きませんね」


 リールナ達が口々に敬鬼に教えてくれる。


「どちらも希少で良い物だから、大事に使いなよ」


 リールナはそう言って、魔道具の基本的な使い方と、蓄魔石や技珠の使い方を敬鬼に教えた。


「さてと、そろそろ今回手伝ってもらったことに対する報酬を決めようかねぇ」

キャラが出てきたら、会話ばかりになるという


読んでいただいて、ありがとうございます

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