2.装置でメールチェックしてステータスを確認します
1話で神様と話した後からです。
説明回みたいなものです。
『神様』との通信(?)の後、敬鬼は装置のモニターに現れたアイコンを調べてみることにした。
現れたアイコンは7つ、『ユーザーデータ』『メールボックス』『ヘルプ』『データベース』『ポイント交換』『施設機能』『雇用』となっていた。
まずは『ユーザーデータ』を見るために操作しようとするが、マウスのような物は見つからない。どうやらキーボードで操作するようだ。
今度こそと画面を見直すと、『メールボックス』のアイコンが「開け」とでも言うように点滅していた。
敬鬼は、指示されているなら、と言う事でまずは『メールボックス』を開いてみることにした。
『メールボックス』を開いてみると、受信ボックスに3件のメールが来ているようだ。
・転移者様へ 初回特典をお贈りしました〈差出人;神様付転移者課サポート担当 卯月〉
・転移者様向け 初心者ガイド〈差出人;神様付転移者課サポート担当 水無月〉
・九尾狗繰敬鬼様へ ミッション発行しました〈差出人;神様付転移者課ミッション担当、オクトーバー〉
まずは「初回特典」とあるメールを開いてみると、
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差出人;神様付転移者課サポート担当 卯月
この度は突然の転移、ご愁傷様でした。
この度転移して来られましたこの世界は、貴方が住まわれていた世界とは法則等に違いがあります。戸惑う事も多いと思いますが、新しい人生が良いものになるよう転移者課一同見守っております。
さて、異世界転移に際して、裸一貫からのスタートでは不自由も大きいと思いまして、いくつかの特典を贈らせていただきます
特典は以下の物になります。
1、GP 500P(装置の一部機能を使う際に使用できます)
2、一日一度食料庫に補充される食料2種 『栄養卵』『苦い草』
3、転移者用ポーション2種1本ずつ 『初級傷用ポーション』『初級解毒ポーション』
4、ゲートミラー(使用すると『始まりの石室』に帰還できるミラーゲートを作成できます)
5、魔力属性 『地』
1は装置内にデータとして、3及び4は装置左にあります『受け取りボックス』内に、5は転移者様自身に送られます。(なお、これらの特典はこのメールを開いた時点で受け取り状態となっております。)
2は該当施設を作成した時点で、受け取りが可能となります。
今後、今回の様な特典等がある場合も、同様の受け取り方法となります。
それでは、良き人生を。
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装置の左にある金属の箱についているランプの光が、先程までは白だったのに今は緑になっていた。
開けてみると、中には栄養ドリンクのビンの位の大きさの、コルクで栓をしたガラス瓶が2本とシンプルな手鏡が一枚入っていた。
「薬が貰えるのはありがたいけど、少なくない?」
とりあえずそれらを取り出してモニターの前に戻る。
続いて「初心者ガイド」のメールを開いてみる。
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差出人;神様付転移者課サポート担当 水無月
この度は突然の転移、ご愁傷様でした。
異世界転移初心者の方に、当方よりガイドとしてメールを送らせていただきました。
まず、当方転移者課サポート担当 卯月よりの初回特典送付のお知らせメールを開かれましたでしょうか?
そのメールを開くと受け取ることが出来る特典の中に、GPというものがございます。これは装置の一部機能を使用するために必要になりますので、必ずお受け取りください。ちなみに、GPは「God Point」の略になっております。
次に、この世界での常識(ある程度の町の一般人が知っている程度のもの)を、データベースに纏めておりますので、目を通すことをお奨めします。
ここからは、転移者様それぞれの能力や嗜好、行動指針等によって変わってきますが、GPの使用先についてのアドバイスとなります。
GPは主に装置ホーム画面のアイコン『ポイント交換』と『雇用』に使用します。『施設機能』でも一部使用しますが、初回特典で交換できる施設では使用できる物もありませんので割愛させていただきます。
・『始まりの石室』を拠点とする場合
多くの場合必要になるのが「水源」と「排水設備」です。
その他に「厨房」「食料庫」「トイレ」「風呂」等があると便利かと思います。
また、施設や空間の保守をするため、もしくは生活のために人員を『雇用』するのも良いかと思います。
・他に拠点を作る場合、もしくは拠点を作らない場合
『始まりの石室』を出て、戻ってくる気がない場合ですが、装置によるサポートなどを受けることが出来ないので、当方としてはお奨めできませんが、自由を愛する方や、独立独歩を旨とする方も居られることでしょう。
当方で転生者様のスタイルを縛るようなことはいたしませんが、せめて特典ポイントを『ポイント交換』で便利な道具や魔法・スキルと交換するか、『雇用』で同行者を雇うことをお奨めいたします。
一応、『始まりの石室』自体は残っておりますので、帰ってきたときにまた使うことも可能です。
最後になりましたが、『始まりの石室』及び装置関連でお困りのことやご不明な点、ご要望などございましたら、転移者課サポート担当までメールをお願いいたします。
総合案内及びメールボックスについて 水無月
ユーザーデータ及びデータベースについて 師走
GP・ポイント交換、特典及び受け取りボックスについて 卯月
装置及び施設・設備について 如月
雇用について 神無月
スキル・魔法及びアイテムについて 葉月
それでは、よき人生を。
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それぞれの名前からのリンクで、メールが出せるようになっているようだ。
「何か困ったことがあったら、ありがたく利用させてもらおう」
呟いた後、最後に「ミッション発行」のメールを開く。
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差出人;神様付転移者課ミッション担当、オクトーバー
この度は突然の転移、ご愁傷様でした。
九尾狗繰敬鬼様を担当させていただきます、転移者課ミッション担当オクトーバーと申します。
今回、突然の転移で何をしてよいのか分からないとのことでしたので、神様の指示に基づいてミッションを発行させていただきました。
今回発行させていただきましたミッションは、「グランドミッションNo.10 データ蒐集」となっております。
また、当ミッションに必須となります設備とアイテムをお送りしました。
設備は『施設機能』の「レイアウト」で設置場所を決めてロードすることで、アイテムは『受け取りボックス』から受け取ることが出来ます。
お送りしましたは以下の物となります。
設備
・データ化生体保管庫
・エッセンスライブラリ
・エッセンス調合機
・再生機
アイテム
・捕獲転送ネット
・エッセンス抽出機
なお、このメールを開いた時点でホーム画面に『ミッション』のアイコンが加わっております。ミッションについての詳細もそちらにございますので、後ほどご確認ください。
それでは、ご活躍を楽しみにしております。
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『受け取りボックス』を開いてみると、中には10キロの米の袋位の大きさの網袋と、携帯用の自転車の空気入れのような物が入っていた。
「コレなんだろう?
捕獲転送ネットとエッセンス抽出機?何にどうやって使うんだろう?」
敬鬼はそれらを取り出した後、またモニターの前まで戻る。
「とりあえず、ミッションについては後で確認するとして、まずはユーザーデータかな?」
『ユーザーデータ』のアイコンを選択して開いてみる
= = = = = = = = = =
名前:ケーキ・クビククリ(九尾狗繰 敬鬼)
種族:ヒューマン・来訪者
年齢:22
性別:男
状態:良好
職業 :なし ○変更可
魔力属性:地
加護神 :なし
守護獣 :なし
最大MP:28
攻撃力:106
防御力:100(+20000)
VIT:50(+5000)
STR:53
MEN:31
INT:25
SEN:23(+25)
AGL:14
DEX:8
LUC:15
固有能力
・動植物共鳴(人族、亜人族、魔物を除いた生命体に敵対されにくくなり、中立的なものは友好状態にすることが出来る)
・肉体超頑強(肉体が攻撃に対して圧倒的に強い。殆どの毒や病気を無効化する)
スキル
運搬Lv.1・掘削Lv.1・建造物破壊Lv.1・持久走Lv.1・登攀Lv.2・水泳Lv.2
感覚強化Lv.1・筋力トレーニングLv.1・踏破Lv.1・忍耐Lv.1
魔法
称号
はぐれ者・転移者・蒐集家
= = = = = = = = = =
「防御力」と「VIT」の異常ともいえる+補正は、固有能力の「肉体超頑強」のお蔭だろうか?
おそらく、この『固有能力』というのが、転移する原因になった『人と大きく違う能力』とやらだろう。確かに元の世界に居たときから、人間以外の動物から懐かれやすかったし、火事や落雷に遭おうがタンクローリーーに轢かれて爆発に巻き込まれようが、殆ど怪我をしたことが無かった。
「スキルは、仕事とかの影響かな?」
転移前まで、資材運搬や土木関係、解体などの仕事をしてきた影響だろう。その他のスキルも、自分の身体が頑丈なことを知っていたため、色々と無茶な鍛え方をしてきたためだろう。
「そういえばコレ、『変更可』ってなっているけど?
ん?『蒐集家』って、この称号の所為かな?それとも、この職業に成れるから称号がついたのかな?」
「職業」の項目を選択してみると、『蒐集家』を選択可能だったので職業を変えてみた。
= = = = = = = = = =
名前:ケーキ・クビククリ(九尾狗繰 敬鬼)
種族:ヒューマン
年齢:22
性別:男
状態:良好
職業 :蒐集家
魔力属性:地
加護神 :なし
守護獣 :なし
最大MP:28
攻撃力:106
防御力:100(+20000)
VIT:50(+5000)
STR:53
MEN:31(+5)
INT:25(+5)
SEN:23(+25)
AGL:14
DEX:8
LUC:15(+5)
固有能力
・動植物共鳴(人族、亜人族、魔物を除いた生命体に敵対されにくくなり、中立的なものは友好状態にすることが出来る)
・肉体超頑強(肉体が攻撃に対して圧倒的に強い。殆どの毒や病気を無効化する)
スキル
運搬Lv.1・掘削Lv.1・建造物破壊Lv.1・持久走Lv.1・登攀Lv.2・水泳Lv.2・鑑定Lv.1
感覚強化Lv.1・筋力トレーニングLv.1・踏破Lv.1・忍耐Lv.1
魔法
称号
はぐれ者・転移者・蒐集家
= = = = = = = = = =
ステータス補正とスキルが増えていた。
「う~ん、コレは良い職業なのかどうか、判らんなあ・・・・・・」
とりあえず自分のことを把握したので、敬鬼は次に『データベース』を見てみることにした。
『データベース』の内容は本編で小説として書くと面白くもなんとも無いので、資料集として別作品として書きたいと思います。
読んでいただいて、ありがとうございます
感想、ご指摘などお待ちしております