ドラゴンの狩り方
ドラゴンの狩り方は簡単である。
大きさは10メートル。空を自由に飛び、口から吐く息には致死性のガスがまじる。知能も人間以上。今は失われた言語や技術も知る。テレパシーなんかの超能力も可能である。
流石、この世の旧支配者といったところか。
ドラゴンの爪、牙、皮、肝、どれも国が買えるほどの値段である。
では、どうやって、このドラゴンを狩るのか。
死に場所を与えてやるのだ。
彼らは死にたがっている。不死身に近い身体と高い知能が生きていくには、この世界は退屈過ぎた。
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ドラゴンも入りやすいように、都から少し離れた所に安楽死科が開業している。最近は数も増え、今や歯科医よりも多いかもしれない。それぞれの安楽死科は工夫をこらして、ドラゴンに来てもらおうと頑張ってるのだ。
この頃、人間の利用者も増えている。人間には安楽死は禁じられているのだが、ドラゴンと人間のハーフなら許される。ドラゴンとのハーフの特徴は、顔が整っており、銀髪で腋毛が濃い。女なら胸が大きく、男なら陰茎が大きいことだ。ハーフを偽るために美容整形も盛んになり、巷は美男美女が増えた。
安楽死科はそんな美男美女とセックスしてから、カリウムを注射して心臓を止める。死ぬのだから訴えられることはない。
政府が対策に乗り出すこともない。何故なら国のトップはドラゴンだからだ。任期が終われば、きっと安楽死することだろう。